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第十話・〖皆は大切な友達だけどそれでも一番は‥‥‥〗


南本(みなもと) 利絵(りえ)幼少期


〖音楽スクール〗


(キラキラ光る~)


(夜空の星よ~)


(まぁ、二人共。本当に筋が良いわぁ。どっちも可愛いお顔をしているし、将来はアイドルになったりしてね)


(アイドル?私と見理(けんり)君が?やったね。見理君)


(うーん。僕は普通のサラリーマンにでも慣れれば良いかな。その方が堅実な人生だしね)


(堅実?‥‥‥どういうこと?何それ?)


(‥‥‥‥幼稚園に通ってる子が堅実って言葉をもう使うの?嘘?)


(人生は楽じゃないって事だよ。利絵ちゃん)


(う、うん。分かった‥‥‥何かごめんね)


‥‥‥‥見理君は昔から少し大人びていたんだよね。

ていうか、何でその歳でサラリーマンとか言ってたのよっ!見理君っ!



◇◇◇◇◇


カラオケ店〖ゴットブロー〗5号室


「正道君‥‥‥‥そろそろ本題に入って良いかしら?」


橘さんが林檎ジュースが入ったコップを片手に僕にそんな事を言ってきた。

‥‥‥‥林檎ジュースか、さっきはオレンジジュースを飲んでたし、苺ケーキを注文してた辺り、クールキャラに見えて凄く甘党なのかもしれない。


おっとっ!いけない、いけない。人を見た目だ判断してはいけないと昔、梓姉さんに


(梓姉って見た目に反してゴリラみたいに強いよねぇ?)


(あっ?!何だと貴様?!!)


(ヒ、ヒィィ!!助けてリエチャーン!!)


(ふぇ?どうしたの?ケンリ君)


‥‥‥‥‥とか言ったら半殺しにされたんだ。


それ以来、人の事の好みや性格の事はいじらないと決めてたんだ。まぁ、時と場合によってはふざけていじり倒すけどね。


利絵ちゃんとか有栖川さんとか‥‥‥‥あの二人は反応が面白いからついついいじってしまうんだ。うん。彼女達はいじられキャラだがら大丈夫。


梓姉は絶対にいじらないけどね。うんっ!


「ちょっとっ!私の話ちゃんと聞いているの?正道君。ボーッとしちゃってどうしたのよ?」


「いや、昔のトラウマが少し甦っただけだよ。えーっと何の話だっけ?」


「もうっ!全然、聞いてないじゃない。今日、カラオケに誘ったのだって、この話があるからなんだから。そうよね?水夏」


「ん~?何?ウチ、今、歌って聞いて無かったんだけどねぇ」


「こ、この、お馬鹿っ!」


「グボッ?!」


橘さんの強烈な脳天チョップが水夏の(ひたい)に直撃した‥‥‥‥効果は抜群だっ!


「生徒会よっ!生徒会から勧誘!沙原高校の入試の成績と小中でのコンクールや大会何かの総合的な評価で10位以内に入った10人が勧誘を受けるのが、あの高校の伝統でしょう‥‥‥‥それで、私、水夏、正道君はその中の10人に入ってたから、その相談を正道君を誘って、今日、このカラオケ(ゴットブロー)に三人で来ようって言ったのが水夏、自身じゃないのっ!」


「ニャ、ニャハハ‥‥‥そ、そうだったね。歌うのに夢中になってたよ。まぁ、雪ちゃんの場合は他にも目的があるんだものね?ニャハ‥‥‥‥」


「フンッ!」


「グボッ?!」


おぉ、今度は会心の一撃が水夏の肩に当たった‥‥‥あれ、生きてるのかな?


‥‥‥‥長い説明だったけど、成る程。橘さんが僕に説明していたのは生徒会の勧誘の事だったんだね。そんな事、もうとっくに忘れてたなぁ。


確か二週間前位に生徒会庶務の駿河とか言う先輩に生徒会に入る様に言われたけど。確か、その場で断ったんだっけ。


「それで?正道君は生徒会に入るの?貴方、確か沙原高校の一年の総合評価で一番だったんでしょう?」


「そうなの?評価が書いてあった紙なんか、母さんにそのまま渡してたから、成績何て気にしてないし、見てもなかったから自分じゃあ把握してなかったよ」


「‥‥‥‥(ワナワナ)‥‥‥‥そう、気にしなくても余裕って事ねぇ。流石、私の長年のライバルなだけはあるわ」


「ニャハハ‥‥‥自分の成績を見てもないとか、進学校である沙原高校の生徒としてビックリだね」


「忘れていたは、昔から正道君はこういう人だったわね。それで?生徒会には入るの?噂だと竜聖会長は貴方を絶対に生徒会に入れるとか、張りきってるらしいわよ。凄いわね!正道君はっ!」


「自分が憧れてる竜聖会長が自分のライバルを欲しいとか言ってたら、そりゃあ、嫉妬するよね?雪ちゃ‥‥‥‥グボッ?!」


「静かにしてなさい。水夏」


「いや、入らないよ。もう料理研究部にでも入ったしね。中学校の時は散々学校行事はこなしたし、もういいや。この高校三年間はゆったりと青春を謳歌するつもりだよ」


「もういいやってっ!多分、それは不可能よっ!沙原高校の伝統で一位~三位の人は必ず生徒会に強制加入させられていたもの。それに竜聖会長は貴方を気に入ってるから絶対に生徒会に加入させるって言ってたもの」


「‥‥‥‥因みに橘さんってもしかして」


「えぇ、欄干副会長からの直接のスカウトを受けたわ。返事は保留中だけどね」


「水夏は?」


「僕はまだかな~、陸上競技の成績が評価されただけだから後回しにされてる感じかな~、順位付けの社会なんた嫌になるよね~」


「とにかく、私が生徒会に入るなら、貴方も入りなさい。正道君。そして、後々は私が生徒会長で貴方が副会長っ!歴代で最高の生徒会を作るのよ」


「うーん。いや良いかな。忙しいのは中学校の時だけで、それよりも明日、部室でラクス作りがあるから、今はそっちの方が大事だね」


「ラクス‥‥‥‥作り?」


「ニャハハ!!!フラれちゃったねぇ!!雪ちゃ‥‥‥グボッ?!」


三度目のド突きが水夏の脳天を襲った。



◇◇◇◇◇


カラオケ店通路〖5号室前扉〗


「グヌヌヌ!!あ、あんなに近くでイチャイチャとも、もう我慢できないよっ!見理君っ!私っ!!」


「ん~?いんや、なんか真剣な話してないか?約一名はユキにド突かれてるけど‥‥‥てっ!こら、リーエッ!何処に行く気じゃ?もう少し様子を‥‥‥あっ!」


ガチャッ!


「け、見理君。今日という今日は許しませんよっ!えぇ、許しませんともっ!!喰らいなさい!!て、天誅!!!」


「「「えっ?」」」


カラオケボックス内にいた三人が一斉に私を見ていた。そして、私が振り上げた掌を見理君がいとも簡単には受け止める。


「何?してるの?南本さん?」


「‥‥‥何でいつも私の天誅を受け止めるのかな?見理君」


「うーん、痛そうだから?それよりも何で南本さんが〖ゴットブロー〗に入るの?」


「へ?‥‥‥いやー、それは?何ででしょう?」


「あーあー、居るのバレちゃったじゃんかぁー!」


「カラオケ店とはいえ、この苺ケーキなかなか、味は悪くありませんね。」(モグモグ)



◇◇◇◇◇


「はい?生徒会について三人で話し合っていた‥‥‥ですか」


「そうよっ!南本さん。そして、何で貴方達が此処に居るのかしらね?」


「さ、さぁー、何でだろうね?雪ちゃん」


「ニャハハ‥‥‥バチバチだね。見理。犬猿の仲ってやつ?」


「いや、いつも教室や図書室でライトノベルの話で盛上ってるよ‥‥‥‥変なテンションでたまに叫んだりしてるしね」


「‥‥‥‥あれ?もしかして、雪ちゃんって‥‥‥隠れオタ‥‥‥‥ク?」


「そんな事より、皆、集まったんだから歌うわよっ!!若い時は一瞬なんだから楽しまないと損よっ!イエーイッ!!」


「そうですわね。楽しまないと損ですねっ!イエーイッ!」


サーちゃんとマリちゃんがそう言ってマイクを天へと掲げた。

なんだか、神々しいな。見ていて眩しいなぁ。輝いてるなぁ‥‥‥‥羨ましいなぁ‥‥‥‥。


ううん。そうだね。せっかく皆で集まったんだし、この瞬間を楽しまないと駄目だよね。うんっ!


「そうだね。見理君っ!デュエットしようよ」


「へ?デュエットって‥‥‥‥‥一緒に何を歌うの?」


「フフフ、それは勿論、見理と私が最初にデュエットした〖きらきら星〗に決まってるよ。楽しもうね。見理君」


私はそう告げて見理君の手を優しく握った。

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