第四章 青年期解決編 ⑬
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翌日七月七日
_病院
私立大学病院。このあたりではおそらく数指に入る大病院。今まで幸いにも病気という病気をしたことのない僕は初めて訪れた。一度、友人の付き添いで救急車に乗ったことがあるが、その搬送先はこんな大病院じゃなかった。
昨日の警察署から一転なぜ病院に連れてこられたのか皆目見当がつかない。僕が被害者として扱われていたのなら、PTSDなどの懸念から精神科に連れてこられるというのならまだ理解できる。でも、僕が待たされているのは放射線科。
昨日の取調べの途中、他の刑事たちが取調室にやってきた。耳打ちをするなり、碓井刑事たちはそろって取調室を出ていき、一人取り残された。しばらくして、戻ってくるなり病院に連行された。ほとんど説明のないまま、夜を明かし、今に至る。
隣にはスーツにキッカリと身を包んだ刑事が二人立っている。他の患者からすれば奇異に映るだろう。
患者として名前を呼ばれることはなく、看護師が刑事を呼びに来た。僕の番らしい。そのまま、放射線室に連れて行かれた。
中に入ると、ドラマで見たことがあるようなベッドにトーラス状の容器。
「MRIを撮らせていただきます。」
聞いたことはあるやつ。放射線科に連れてこられた時点で画像診断をするということは分かっていた。なんで、それをするかはわからない。ちなみに、放射線科であるにもかかわらず放射線は使用しないらしい。
言われるがまま、横になった。ベッドが動き、頭がトーラスの中に吸い込まれていく。グオングオンという大きな音が不必要に不安を助長する。まるで、僕が病人であるかのような気にさせられる。
「はい、いいですよ。」
そんな僕の気も知らず、あっという間に終わった。
部屋を出ると、さっそく待機していた刑事が駆け寄ってきた。
「診断結果まで、取調べの続きを再開する。部屋はとってある。」




