第四章 青年期解決編 ⑧
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それから三日後
つまり七月六日
ようやく時計の針が一番高いところを指そうかという頃、呼び鈴が鳴った。宅配業者でもなければ、新聞の勧誘でもない。
「警察だ。」
「はい。」
沖田さんはすんなりとドアを開けた。この部屋からではどうなっているのか見えない。見ようと思えば覗きに行くことはできる。でも、沖田さんからはこの部屋にいるように言われている。
「_佐藤俊夫はいるか。」
「えぇ、それならこちらに。」
僕は沖田さんから何も聞かされていない。取り調べをされるような事態になったら、すべてを正直に話すようにと、ただそれだけ。だから、このやり取りには驚くほかない。僕のこの状態を見られたら、すべてが終わることは言うまでもない。こんなにあっさりと終わろうとは。
ドアが開いた。
沖田さんの隣、後ろには数人の男性。僕の知った顔もある。
一様に何がどうなっているのかわからないという表情だ。まぁそうなるのはしごく当然だ。
おそらく彼らは僕を誘拐監禁の容疑で逮捕するつもりでここに来たのだろう。ひょっとしたら令状もあるかもしれない。それがいざ踏み込んできてみたら、その僕が監禁されている。混乱して状況把握できずにいるのも無理はない。
「説明してもらっても。」
沖田さんに聞いているのか、僕に聞いているのかあいまいだが、碓井刑事は尋ねた後、僕を見た。
「やったのは私よ。」
横から沖田さんは、まるで社交界で淑女がする挨拶のように、堂々とそして、にこやかに答えた。
碓井刑事一同、今度は沖田さんを見た。想定外の現状に対応しあぐねているのがよく分かった。




