表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
誘拐から  作者: 高束奏多
37/72

第二章 少年期解決編 ⑱

 ***


 6月16日(金)

朝のニュースは、どこのチャンネルも沖田さんの誘拐で持ちきりだった。おまけに、犯人が同校の宇都宮先生ということまで報道していた。このニュースを見たくて、必死でチャンネルを回した先週の土曜日の朝が遠い昔のようだ。

当事者の沖田さんは食い入るようにテレビを見ていた。

小学校も映っていた。マスコミに待ち伏せされているのかと思うと、出勤に嫌気がさした。

朝ご飯もほどほどに家を出た。もう少し、ニュースを見ていたかったが、早く出勤するよう言われているので、そうはいかない。

沖田さんはテレビにご執心。

車中のカーナビでニュースを聞いているが、目立って新しい情報はなかった。


校門はすでにマスコミでごったがえしていた。さっき、テレビで見た時よりも増えている。

テレビとは違い、実際にこの目で見ることで、渦中にいるということが現実味を帯びてくる。

使命感からか職務命令かは分からない。いずれにしろこの中には、不幸を喜んでいる人が一定数いる。事件の元凶が何を思おうと皮肉にすらならないが。

普段よりも多い守衛が、マスコミの群れを押し分け、門を開けてくれた。

想像していた通り職員室の電話は鳴りっぱなし。

 それからは気も休まらない怒涛の日々。

校長先生と教頭先生はもっとそうだったろう。立場が違い、責任が違う。

明日は二人が記者会見に立つ。僕はかろうじてその席に座ることを免れた。

昼の情報番組を経て、夕方の報道番組。内容はどんどん熾烈になっていく。コメンテーターも市民の声も言いたい放題。

社会の注目はどんどん募り、大事件と言って差し支えないレベルになっている。

翌日六月二十一日の記者会見はひどいものだった。想像していた通りの非難の嵐で、針の筵もいいところだった。スケープゴートになってくれた二人には感謝しなくてはならない。

夕方のニュースはその記者会見の映像ばかり流れていた。今日もこの事件についてばかり。学校には常にマスコミがべったり。


 _正直、公開捜査になれば、すぐに情報が集まってきて、すぐに逮捕されるのだと思っていた。その覚悟もできていた。

 しかし、激化した報道も数日のことで、一週間もしたら、テレビでもあまり見なくなったし、警察が来る頻度もどんどん減っていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ