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誘拐から  作者: 高束奏多
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第二章 少年期解決編 ⑪

二十分ほどして、一人目が帰ってきた。そして、名前を呼んで、四人目の先生が出て行った。

 最初の三人で分かっていたことだが、名簿順。

 三十分して、一週目のローテーションは終わった。

 おそらく、次、七人目が僕だ。

 二度目の警察との対峙。

 どの刑事と当たるのだろうか。

 それよりも、今までで一番気を付けなければいけない局面だ。昨日は五人、教頭先生の助けもあった。しかし、今日は一対一。

 それから十五分後、始まってからでいうと四十五分後。思った通り、僕の名前が呼ばれた。

 緊張しすぎても不審がられる。

 気負ったら怪しまれる。

 ほどほどに、当たり障りない話を。

 でも、ある程度は関心を持った方が自然。

 思考をまとめるには相談室までの道のりは短い。

 角を曲がって、相談室に面した廊下。その前に一人の刑事。僕から見て一番手前の部屋に入るよう促された。

 深呼吸、などしてしまうと不自然だろう。そのまま普通にノック。

 返事が聞こえると、特に形式を気にするでもなく普通に入室。

 碓井刑事か。

 最初こそ頼りない印象だった。しかし、後半は祭屋刑事に代わりぐいぐい質問してきた。でも、体育会系の祭屋刑事よりはまだ話しやすいか_。どっちもどっちだ。碓井刑事は碓井刑事で嫌な所をついてきそうな気がするし。もっとも、刑事と犯人である以上フレンドリーに会話などできるはずもない。

僕にとってここが一つの正念場。

向こうは僕に対して何か思っているのだろうか。

とりあえず、席に着いた。

「碓井敦です。昨日ぶりですね。」

「佐藤俊夫です。」

「時間も限られていますので、挨拶はこれくらいにして、さっそく本題に入らせていただきます。」

改めて見る碓井刑事は思っていたほど小さくはなかった。昨日はソファーだったが、今日は近い距離で椅子に座っている。座高という問題だけでない。威圧するような存在感のせいで大きく見えてしまっているのかもしれない。

「では、宇都宮容疑者とは比較的懇意にされていたと聞き及んでいますが、普段はどんな人でしたか。」

「どんな。普通にいい人で、何回か呑みに行ったこともあります。僕自身としても先生の中では話しやすかったです。」

「最近、変わった様子とかは。」

「いえ。いつもどおりでしたし。こんなことをするなんて思いもよりませんでした。_あの、宇都宮先生は捕まったんですよね。なのに、まだ捜査をなさるんですか。」

碓井刑事は一瞬思案したのに、

「ここだけの話。実はまだ沖田ネルが見つかってないんです。だから、共犯の線も疑っていまして。」

警察は納得していない。そんなにうまいことはいかないか。


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