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誘拐から  作者: 高束奏多
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第二章 少年期解決編 ⑧

 守衛に通してもらい、再びまずは校長先生に繋いでもらった。先ほどの応接室とは違い、今度は校長室に通された。そして、その声の主について聞いた。どういう人物かまでは、どうせ後でわかることだ。とりあえず、確保が先決。

 話をする校長の姿は悲しそうで、そしてさらなるショックを受けているのは誰の目にも明らかだった。そりゃそうだ。自分の小学校で有名人の娘が誘拐されて、その犯人が同校の先生でした。それが昨日の今日のことで、飲み込みきれるはずがない。

 碓井も碓井で当てが外れて、落ち込んでいた。

「犯人を特定できたのだからそれでいいだろう。偶然の結果ではあるが、すべて、お前の予想の功績なのだから。そういうことで手をうっといてくれ。」

先生は全員職員室で待機しているとのことだ。

職員室を開け、目的の人物を目で捉える。

そのまま進み、

「宇都宮壮ですね。誘拐の容疑で署までご同行願います。」


***


「ということになったのだけど、どう思う。」

僕は毎日その日あったことを沖田さんに報告するのが日課になっていた。祖母の家にいたオカメインコはいつも返事をしてくれた。ペットに例えるわけではないが、沖田さんの場合は特に返事が返ってくるわけではない。相槌も打ってくれない。もちろん、楽しくおしゃべりなんて期待するはずもない。沖田さんの恐怖心を考えたらそんなのは当たり前のことだ。

どれだけを過ごしたところで、僕と沖田さんは監禁者と被監禁者、被疑者と被害者、この構図が変わることはない。

返事をするのは沖田さんが興味を持った時だけ。今日の話題なら、興味を持つだろう、何か思ったことを話すだろうと考えていたけど、今のところそのそぶりはない。

話したと言っても、実のところ、まだ宇都宮先生が逮捕されたということしかわかっていない。沖田さんと宇都宮先生に接点はなさそうだったし、疑問には思っても、それ自体に興味はないのかもしれない。

はっきり言って何が起こっているのか全く分からない。

宇都宮先生が連行されたあとは、すぐに解散になった。このことについては、他言無用と箝口令が敷かれた。校長先生は二重表現を使っていたが、気にすることではないし、そういう場面でもない。箝口令は破ってしまったが、そもそも僕は犯人だし、沖田さんからほかに漏れるということもないし、所詮些末事だ。

明日、また警察が学校に来るらしい。宇都宮先生について聞かれるのだろう。できれば、捜査の進展があれば聞きたいところだ。


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