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腐敗JK ─ ゾンビだらけの世界で女子高生は無双する ─  作者: 徳田タクト卍
ゾンビだらけになる前の、JKの平和な日常
12/14

血塗れの女子高生



「……こんなところで泣いてる場合じゃない。早くお母さんを見つけなきゃ」


 涙と鼻水でぐずぐずの顔を手で乱暴に拭うと、シャベルを握ってよろよろと立ち上がった。

 ガガガと大きな音を立てながら、重たいシャベルを引きずってフラフラと歩く。物音なんてもうどうでもいい。私は、ゾンビを……もとは人間だった者たちをグシャグシャにした。2度と動けないくらいバラバラに……した。


「ふっ、私ってもしかして殺人鬼の才能があったのかな?そんな才能いらないけど。いや、もしその才能があるなら、今こそその才能を発揮する時だよね」


 ふふふと鼻で笑いながら独り言を話す。短時間でいろいろなことがありすぎて、精神が壊れかけていた。いや、もう既に壊れているのかもしれない。


「おかーさんどこ?柊咲子さーん!あなたの娘の友加里が来ましたよー!いたら返事してー!」


 シャベルを引きずりながら、大声でお母さんを呼ぶ。すると。


「ヴ~アァ~……」

「ヴぅ~……」


 会議室を覗くと、ヒールをはいたOL風の女性のゾンビと片腕が食いちぎられたスーツで眼鏡の男性のゾンビ2体が、ゆらゆらと体を揺らしながら私の方に向かってきた。


「はぁ……ここにもお母さんはいないか……」


 溜め息を吐きながら、シャベルを肩に担ぐ。


「……ごめんだけど、ゾンビなら手加減しないから。ハンパにやって、また後から追っかけられたくないし──ね!」


 グシャァッ!!


 そう言いながら、肩に担いでいたシャベルをOL風の女性のゾンビの頭部めがけて振り下ろした。


◼◼◼


「ふう……これだけやっとけば、もう追いかけてこれないでしょ」


 2体のゾンビの頭部をシャベルの先で切断した後潰し、ついでに手足も切り離した。ゲームの世界では頭を吹っ飛ばせばゾンビは死ぬってパターンが多いけど、現実リアルではどうなのかわからない。現に、さっきオフィスルームで倒したゾンビは、頭部を切り離したのにまだ私のことを追いかけようとしていた。


「頭を壊せばいいってわけじゃないとなると、厄介だなぁ」


 ガランと、血だらけのシャベルを肩に担ぎながら会議室から出る。


「おかーさん、友加里だよー!どこにいるのー?」


 ガガガと血だらけのシャベルを引きずり、大声でお母さんを呼びながら探す。所々に転がる遺体や血腥さにも慣れてきた。廊下の遺体を跨ぎながら、奥へと進む。


「更衣室は……と」


 『女子更衣室』と書かれた所のドアを開ける。


「……お母さ~ん……いたら返事して~……」


 学校にもある、銀色で縦長のロッカーがいくつも並んでいるが、この部屋もゾンビの被害に遭ったのかロッカーが幾つか倒されていて、所々に血が飛び散っていた。


「ロッカー……そう言えばお母さん、ロッカーに隠れてるって電話で言ってたよね……」


 ごくり。と唾を呑み込むと。


「お母さ~ん……いるー……?」


 シャベルを引きずりながら、更衣室に入る。ひとつひとつロッカーを開けて調べるが、お母さんは居ない。


「返事もないし、ここにもいないのかな……」


 入り口側に並ぶロッカー全てを調べ、今度は奥のロッカーを調べに行く──すると。


「!?お母さん!!」


 そこには、倒れたロッカーの下敷きになっているお母さんのような人が倒れていた。




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