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私は、西條彩葉、クラス発表の時自分と同じクラスに奏多の名前があった。
私は、奏多が好きだ。
一年の時は、私が女子をまとめ、クラス全体を奏多がまとめていた。
私は、女子しか動かせなかった。
男子は全くついてきてくれなかった。
でも、彼はクラス全体をうまく動かしていた。
文化祭をうまくできたのも、体育祭で学年優勝できたのも彼のおかげ、少なからず私はそう思っていた。
自分に持っていないものを持っている彼をいつの間にか好きになっていた。
それからの私は頑張った。
二人の時には、うまく近づこうと努力した。
テスト勉強も出来るだけ彼に教わるようにしていた。
どうやったら、彼の目に留まるんだろう。
どうやったら、かわいくなれるんだろう。
どうやったら、胸が大きくなるんだろう。
どうやったら、彼の好みになれるんだろう。
色々悩んで、考えて、時には相談して……
春休みにも、LINEしようと書いては、消して、書いては、消してを繰り返していた。
結局送れずじまいで終わってしまった。
でも、彼の前では絶対にこんな姿見せられない、見せてはいけないのだ。