プロローグ
自殺した親友から託された封筒には遺書と共に日記のような物が同封されていた。日記には事細かに彼の事が書かれていた。彼は几帳面な性格では無かったのだが... よくもまあ、このような物を残していったものだ。 それでは、本格的に彼の人生を書いていくとしよう。これは私の親友が17年間という余りにも短い時間の中で経験し、感じた出来事や思想を綴るだけの物語である。
僕は幸せな家庭に生まれた。一人っ子だった僕は両親からたくさんの愛情を与えられて生活してきた。自分の部屋も持っていた。旅行にだって頻繁に行っていた。お願いだって十分に叶えてくれた。好きな事だってさせて貰えていた。でも、僕は変わってしまった。いや、始めから変わってなどいなかったのかも知れない。『死にたい』その言葉が口癖になったのはいつからだろう。『死にたい』そのように思い始めたのはいつからだろう。分からない 僕には何も分からない。思い出せない。僕が過ごした17年間に意味はあったのだろうか。僕が感じた事に意味はあったのだろうか... 僕が過ごした平凡な日常の中でどうしたら良かったのだろうか...