魅力。
彼女は魔法使いだった。
世界の決まりとして、魔法使いは魔法使いと、人間は人間と恋して結婚することが決められている。
そんな世界であれど、僕は魔法使いに恋をした。
そんな彼女の魅力を紹介しよう。
「ね、ね、ね。…ほら見てて。」
彼女は枯れかけた花に手を添えた。
その手から出た優しい光が花を包み、その花はまた綺麗な紫の花を咲かせてみせた。
「さすがだね。」
「私に出来るのはこういうのだけよ。」
まず一つ目。彼女はすごく綺麗に笑う。
……
「はい。出来たよ。」
「うわぁ〜…美味しそう!!」
彼女が目の前の料理を見てはしゃぐ。
「食べていい?食べていい?」
「はい、どうぞ笑」
彼女は大好物のシチューにパンを少し浸して口へと運んだ。
「んん〜!!!……おいっしい!!!」
二つ目。彼女は美味しそうに食べる。
……
「ちょちょ、待ってよ……」
「早くしないと追いつかれますよ。」
僕は彼女の手を引いて走る。
世界法違反として追われる身の僕ら。
「追いつかれても、大丈夫だよ。」
彼女が先を歩く僕の手を力任せに引く。
「うおっと、……どうしたんです?」
「ねえ、少し暴れちゃってもいい?」
彼女は僕に上目遣いで頼む。
これには僕も弱い。
「……少しだけですよ。」
最後三つ目。彼女は強い。
「私たちの愛を引き裂こうなんて、愚かな真似を。」