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世界の夢。  作者: スズサイ
6/11

初恋。

彼は私の初恋だった。




「あ、先輩!こっちッスよ!」




中学を卒業して3年。

もう高校も卒業する年だ。



あの頃と何ら変わらない彼は、私の一つ年下の後輩。



相変わらずの眩しい笑顔をこちらに向け、片手を上げて自分の場所を示していた。




「久しぶりだね。元気してた?」



私も演技は上手くなったと思う。

久々に会う初恋の人を前に、涼しい顔で話しかけることが出来るのだから。




「俺はいつでも元気っすよ!先輩の方はどうです?」



彼はほんとに何も変わらない。




このカフェの、私たちのこの席だけ昔のままみたい。


私も変わってないのかな。





「私は……まぁまぁかな。」


「なんすかそれ。笑」




いや、私はひとつだけ明らかに変わったところがある。



「あ、聞いてくださいよ。この前話した彼女のことなんですけど〜……」




あの頃は彼の口から出る女の子も、その名前も、その話も全て嫌だった。



でも今は




「うん、それで?」



この初恋を叶えようとしなくてよかったと思ってる。




「それで彼女が〜……」




だってもし叶えようとして振られてたなら




「って先輩、ちゃんと聞いてます?」




こうして会って話すことも出来なかったでしょ?




「うん。ちゃんと聞いてるよ。」




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