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世界の夢。  作者: スズサイ
4/11

強者。

大きな地響きと共に鼓膜が破れるほどの爆発音が、目を開けていられないほどの眩い光があった場所から飛んできた。



その爆風は僕らの元まで、勢い殺さずやってきた。



その時鉄パイプを持っていた彼女が僕を守るように抱きしめた。



僕は彼女のおかげで爆風と砂埃などに当たらずに済んだ。



彼女はボロボロだった。



背中は火傷、膝は擦りむき血だらけ、腕は切り傷に痣、乾いてきた血の跡も沢山あった。




それでも彼女はまだ敵に向かって立ち向かう。



鉄パイプ1本持って。




もう何人倒したことか。




僕には何も出来なかった。




「ねぇ、もう、……いいよ。」



彼女を止めることすら、




「好きな人くらい、守りたいんだ。」




出来なかった。


彼女は僕に背を向けて、敵へと鉄パイプを構えて走り出した。




「それは僕も同じだよ……。」




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