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強者。
大きな地響きと共に鼓膜が破れるほどの爆発音が、目を開けていられないほどの眩い光があった場所から飛んできた。
その爆風は僕らの元まで、勢い殺さずやってきた。
その時鉄パイプを持っていた彼女が僕を守るように抱きしめた。
僕は彼女のおかげで爆風と砂埃などに当たらずに済んだ。
彼女はボロボロだった。
背中は火傷、膝は擦りむき血だらけ、腕は切り傷に痣、乾いてきた血の跡も沢山あった。
それでも彼女はまだ敵に向かって立ち向かう。
鉄パイプ1本持って。
もう何人倒したことか。
僕には何も出来なかった。
「ねぇ、もう、……いいよ。」
彼女を止めることすら、
「好きな人くらい、守りたいんだ。」
出来なかった。
彼女は僕に背を向けて、敵へと鉄パイプを構えて走り出した。
「それは僕も同じだよ……。」