◆23-① ミドルフェイズ 『バハムート防空戦』---MIST、襲来!---
【マスターシーン:バハムート防空戦】
GM:では、行くよー!
一同:はーい!
ジーノ:えーと、ミドルフェイズでいいの?
GM:はい。ミドルフェイズです。
アミー:(ブツブツ)出なきゃ、出なきゃ……。
GM:このシーンは、マスターシーンです。
タイトルは―――
『バハムート防空戦』
アミー:もう戦うの?
死んじゃうの?
GM:え?
カトレーン:結論、早いねー。
ジーノ:早すぎるだろ。いろいろ。
死ぬ気満々とか。
まだ早いって。
GM:あ、いや、この『バハムート防空戦』は、そういうのじゃないんですけど。
アミー:そっか。
良かったね、ジーノ!
ジーノ:は?
…………。
何だよ!?
「死んじゃうの?」って俺のことかよ!?
アミー:当たり前じゃん。
モーゼル:ああ、フラグが立ってたからかー。
カトレーン:イヤイヤ、いくら何でもフラグの回収が早いってば。
GM:まあ、そうですね。
で、あなた方が、先ほどのサイレンを聞いて、慌ててブリーフィングルームに帰ってくると、すでにナーガロンド傭兵団の上司グエン・バンバックが待っています。
GM/グエン:「お前たち、遅いぞ!」
アミー:あ!
私、全力疾走で行きますよ?
GM:そうなんだ。
アミー:ハイ、ヨロコンデー!
ジーノ:何に、かぶれてんだよ?
カトレーン:あ、スタックしてもいいですか?
モーゼル:スタック?
カトレーン:あ、スタックじゃなかった。
プロットだ、プロット。
いいですか?
ジーノ:何だ、てっきり走り込むアミーにスタックするのかと。
ブリーフィングルームに滑り込むアミーの上に、走り込んできたカトレーンが積み重なる的な。
モーゼル:まあ、それはそれでアリかなー。
冒頭から、我らが上官グエン・バンバックにスライディングをかまそうとするアミー。
そんなアミーに対し、カトレーンが小隊長の意地を見せてスタックをかます。
……ぶつかり合うベアハッグ小隊の“幼女代表”アミー(5歳)と“乙女代表”カトレーン(22歳)!
女の意地をかけた戦いが、今、始まる……!
というアツいシーンを想像したが、それは幻に終わったのだった。
カトレーン:違うよー。間違えただけだから。
GM、プロットしてもいい?
GM:今回はプロットしなくてもいいです。
アミー:(ヒソヒソ)プロット、しなくていい……?
モーゼル:(ヒソヒソ)ねえねえ、どういうこと……?
GM:うん。
プロットしなくていいよ(断言)。
アミー:したいです、プロット。
ジーノ:しようよ、プロット。
GM:…………。(←聞こえない作戦決行)
GM/グエン:「現在、大量のMISTがバハムート上空に接近中との情報が入った。白兵戦を挑んでくるつもりらしいな」
ジーノ:白兵戦かー。
アミー:「MIST」って機械だよね。
GM:そう、機械。
アミー:人間が作り出した機械?
GM:作り出したのは、宇宙人……らしい。
モーゼル:どうして挑んでくるのかな?
カトレーン:何?
この星が欲しいの?
GM:いや、生きているモノをすべて皆殺しにしないと気が済まないらしいです。
人間でも。動物でも。植物でも。
カトレーン:そうかー。
アミー:よくわからない。
つまり、「MIST」とは?
GM:多分、宇宙人が戦争のために作り出した“戦争機械”。
だから、敵の星に撃ち込んで、そこにいる生き物を皆殺しにする、とか。
アミー:そっか。
ジーノ:あの、『バハムート防空戦』ってことは、降ってくるの?
MISTが、上から。
GM:そうです。
ですから、カタパルトでアームズを射出する必要がありません。
さっきのレギュレートアームズみたいに配置して……。
降ってくるMISTをボコボコと片っ端から叩き落とせ!
市街地に入ったヤツは、白兵戦で粉砕しろ!
カトレーン:消耗戦だー。
GM:そのとおりです。
実際には、こういうのを『飽和攻撃』って言うんですけど。
モーゼル:『飽和攻撃』?
GM:ええ。
多くのMISTは“トループ級”なんで、一体一体は、大したことはありません。
でも、攻めてくるMISTの数に対して、あまりにもアームズの数が少ないんで、結果、討ち洩らしますよね。
アミー:うん。
GM:そういう討ち漏らしのMISTが施設を破壊したり、人々を殺傷したりすると、バハムートの抵抗力が落ちるよね。
で、次に攻撃された時は、当然、バハムートは弱ってる状態で迎え撃つわけだ。
モーゼル:あー。
GM:それに対して、MISTの方は、自動生産工場があるからね。
いくらでも湧いてくる。
でも、人間の方はそういうわけにはいかないよね?
人間の場合、一人殺されたら、その代わりの人が生まれて、一人前になるまでに最低でも15年はかかる。
だから、人間の方は消耗戦をやると不利なんだよね。
……というのが、MISTの極めて有効な戦略です。
ジーノ:ふむ。
GM:だから、戦地でアームズ対ソルジャー級MISTとかやってるだけなら、どっちかと言うと、人間の方が有利なんだけどね。
市街地で、民間人を巻き込んでドンパチやられるとねー。
特に、軍食のサラおばさんとか巻き込まれた日には……、ねえ?
カトレーン:何? その「ねえ?」って(ギロリ)。
GM:まあ、軍隊に必要なそういう人や物が失われると、バハムートの継続戦闘能力が失われるということに。
カトレーン:うーしーなーわーれーなーいー!
GM:だから、白兵戦は避けなければいけない、という状況ですけれども。
ジーノ:うん。
で? どうすれば?
GM:はい。
えーと、この防空戦は、『イベントクラフト』というルールで行います。
一同:?
ジーノ:『イベントクラフト』?
GM:ルールにある『防衛戦チャート』を使用してやるんだけど。
これを『防空戦』に置き換えてやります。
実際にどういうことをやるかと言うと……。
① イベントチャートに1人1回挑戦して判定。
② 判定に成功するとイベントごとに設定されたポイントをゲット。
③ 全員の挑戦終了時に「2ポイント以上」なら、「防空戦成功」。
④ しかし全員終了時に「1ポイント以下」なら、「防空戦失敗」。
⑤ ただし、イベントによっては「判定失敗」=「防空失敗」もある。
カトレーン:なんとおーーー………! (驚)
GM:ここでの勝利は、
「犠牲は出しながらも防空戦に勝利して、バハムートが飛び立つための最終ミッションに挑む準備ができた」
ということを意味します。
一同:おおーーー(感嘆)。
GM:一方、ここでの敗北は、
「何とか、MISTの大群を追い払うことはできたものの、非常に悲惨な犠牲を払うことになる」
ということを意味します。
一同:…………。
ジーノ:うーむ……。
アミー:クライマックスでの戦闘とかでの有利さが変わるの?
GM:ええ、クライマックスシーンの戦闘での有利さもそうですが。
トータルのハッピーエンド、バッドエンドが分岐したりします。
カトレーン:ええーーー!!
アミー:それってさ、この『イベントクラフト』ってのが、すごく重要ってことじゃん!!
モーゼル:確かに。重要だね。
ジーノ:これって、順番は、ウチらで選べるってことでいいの?
GM:はい。
ジーノ:いやー、ずっと俺からだと、何かちょっと……みたいな。
カトレーン:わかるー。
モーゼル:最初にやる人は、何をやるのか、わからないからね。
GM:はい、一番にやりたい人は「防空戦チャート」を振る。
ジーノ:達成値とかは?
GM:イベントによって違います。
アミー:高い方がいいの?
GM:もちろん。
一同:……。
ジーノ:……じゃあ、最初に行っとくわ。
「慎重」だけど。
GM:はい。
ジーノ:これって、やっぱりプロットできないの?
GM:うん。
ここでは、『イベントクラフト』という追加ルールを使うからね。
通常行うはずのエーテリックのプロットはできません。
ジーノ:へー。
まあ、やってみないとわからないからな。
じゃあ、行っとくかー! (ダイスを握る)
GM:でも、「単にチャート見て振った」というだけだと面白くないから、カッコイイ演出を頼むよ?
ジーノ:ハードル高いよ?
……でもさ。
そもそも、どんなことやるの?
GM:ダイスを1個振って、「この防空戦の最中で、あなたが何をやっているか」をまず決めます。
ジーノ:1D6ね。
(コロコロ)……1!
GM:えーとね……。
「何て言うことだ!
あなた方が集結している戦略拠点―――二次拠点のすぐそばに、大量にMISTのトループの増援が現れて来ている」
アミー:えー。
ジーノ:むう。
アミー:「6」の方が良かったよね。絶対。
モーゼル:「6」か……(ダイスに念を込め始める)。
ジーノ:これ、普通だと、
「退避しろぉぉぉぉ!」
とか言いながら、慎重に距離を取って〈ブラストソーサリー〉で範囲を拡大しつつ、〈サンダークラック〉で攻撃! 殲滅!
そういうイメージですか?
GM:うむ。
ただ、ここで要求されているのは……、逆だ!
ジーノ:何? どういうこと?
GM:その敵の最中に、闇雲に突っ込むのではなく。
最も多くの敵をまとめて撃破できるルートを発見して、そこにあなたの
必殺技を撃ち込むべきだ……という。
ジーノ:じゃあ、それは〈知識(軍事学)〉で、そのルートを探して、
「ここが一番有利!」
みたいな?
GM:いえ。
ジーノ:ナニ? どうすればいいの?
GM:残念ながら、ここで使えるものは決まっているんだ。
ジーノ:じゃあ、何が使えるの?
GM:ここで求められるのは、一般技能の〈追跡〉……は持ってないよね?
ジーノ:うん。
持ってない。
モーゼル:(ヒソヒソ)あ、僕、持ってる!
アミー:(ヒソヒソ)アンタ、関係ないでしょ?
GM:そうすると……(「防空戦チャート」確認中)。
「技能なし判定」で行わなければならない。
ジーノ:えー? それって、すごく難しいんじゃなかったけ?
※技能なし判定……2D6の出目のみで勝負。平目。ツライ。
GM:だから、能力値修正はなしで……、目標値は〈追跡〉で7。
ジーノ:平目かー。
GM:そう。平目で7を振らなきゃいけない。
ジーノ:演出すると何か変わるの?
達成値が上がるとか。
GM:いや、そういうことじゃないよ。
このイベントで指定された一般技能として〈追跡〉の一般技能を使用する。
でも、それをどういう感じに演出してシーンを作るのかってこと。
ジーノ:なるほどー。
これは、敵が逃げるのを追うような感じなの?
GM:いや、逆だね。
敵が集結しているところを、最も効率よく撃破するためのルートを発見するという感じ。
ジーノ:うーん。
じゃあ、実際に使うのは〈追跡〉だけど、〈知識(軍事学)〉を利用するかのような感じで、
「おそらく、コイツらMISTの攻撃パターンからすれば……!
この進入路を塞ぎつつ、殲滅するのが最も効率的なハズ!」
っていう感じでもいい?
GM:了解。
では、判定どうぞー。
ジーノ:2D6で7か……。まさに五分。
(コロコロ)……7。
ジーノの達成値7。 成功!
ジーノ:よしッ! (拳を握る)
アミー:良かったー。
何かさぁ、さっきコレットのところで、何回もいい目を出しちゃったからさー。
モーゼル:ああ、確かに。
ジーノ:というわけで、成功!
GM:了解!
ジーノ:では、MISTの進入路を塞ぎつつ、〈ブラストソーサリー〉で〈サンダークラック〉を拡大しながら、次々と殲滅していく感じで……。
GM:MISTの増援部隊を一掃したよ、と。
ジーノ:まあ、そんな感じ?
GM:いいでしょう。
あなたは、無事、このMISTの増援部隊を撃破します。
2ポイント奪取!
ジーノ:なんとぉ!
GM:このまま行けば、この防空戦は成功できるハズです。
一同:やったー! (ハイタッチ)
ジーノ:あれ、これって、この後、失敗するとポイントが下がることもあるの?
GM:もちろん。
カトレーン:ひぃーーー(←よくやらかす人)。
とはいえ、運良くMISTの軍勢を殲滅し、二次拠点を守り切ったジーノ。
いきなり2ポイント奪取に成功。
あまり高くもない鼻が高くなるジーノ(こと下げ友)。
すると、ダイスに念を込め終わったモーゼルが、声高らかに宣言する。
モーゼル:じゃあ、次、僕が!
ジーノ:おうモーゼル、頼んだ。
ここは、チャージしたエーテリックを使うことも考えた方がいい。
モーゼル:わかった!
アミー:頑張ってねー。
ついに始まった『バハムート防空戦』。
『イベントクラフト』という追加ルールを使用することに対し、戸惑いを隠せないグリップダイスの面々。
しかし、戸惑っている暇はない。
なぜなら、「判定失敗」=「防空失敗」となる可能性も充分にあるからである。
よって、絶対に失敗できない。
誰も失敗できない、と言ってもいい。
ダイスに念を込めるも良し。
チャージしたエーテリックを使うも良し。
どんな方法でも構わない! (でも置きサイだけはダメ! 絶対!)
ベアハッグ小隊が守らずして、誰がバハムートを守ると言うのか!
頑張れ! ベアハッグ小隊!




