◆17 ミドルフェイズ 『フォーメーションα』展開!
部屋の中にダイスを振る音が響き渡る。
口を開く者など誰もいない。
各々が、ただ一心にダイスを振っている。
そう、これは、戦闘前の準備行動。
―――「獅子は兎を倒すにも全力を尽くす」
精神集中を高め、ダイスに念を送り、少しでも高い目を出すために。
グリップダイスの面々は、常に自分(のダイス目)を高めることに余念がないのだ。
一日ダイス500回。
実際のところ、これらの効果があるかは不明。
残念ながら、現在までに科学的な証明をするだけの根拠は導き出されていない。
【シーンプレイヤー:全員】
GM:あのー。シーン始めていいかな?
一同:あ、はい(ダイスをテーブルの上に置く)。
お願いしまーす!
GM:じゃあ、ここは全員登場なので、みんなエーテリックをプロットしていいよ。
一同:はーい。(全員エーテリックをプロット)
GM:君たちは、それぞれの騎体に乗り込み、仮設カタパルトが設置されているバハムートの上部甲板に上がってきている。
そして、今、出撃前の最終チェックを受けている状態。
君たちの前には、発艦観測員がいて、カタパルトに入るように指示しているよ。
アミー:発艦観測員?
GM:信号灯とか旗とか持って立ってる人ですよ。
で、この人たちが旗とか振ったりして、ゆっくりとカタパルトに入っていくように指示をしているわけ。
カトレーン:おおー。
GM:カタパルトの先端は、戦場に向けられている。
目標は「荒野」。
カトレーン:「荒野」って言うと漠然としてるけど、きちんと輸送部隊の場所はわかってるんだよね?
ジーノ:行ってから自分で探せ、みたいな。
GM:ああ、大丈夫です。
目指す輸送部隊の場所の付近まで、カタパルトで撃ち出してくれますよ。
で、「最終確認、カタパルト問題なし、上空はクリア」と無線連絡が入るね。
モーゼル:どんな姿勢で撃ち出されるの?
GM:腹這いですね。
アミー:腹這い? (なぜか本人も腹這いになる)
GM:そうそう。
ジーノ:Gが凄そうだ。
GM:全員の準備が整ったころに「発艦許可」と無線連絡が。
GM/無線:「ベアハッグリーダー、発進準備」
カトレーン:「了解」
GM:すると、もの凄い勢いで騎体が加速して空に撃ち出されます。
えーと、何か気の利いたセリフをお願いします。
カトレーン:「野郎ども、行くぞ!」
ジーノ:それって気が利いてるのか?
あ、そう言えば、リーダー以外は1(ワン)、2(ツー)、3(スリー)になるの?
GM:いや、2(ツー)、3(スリー)、4(フォー)だね。
ジーノ:「ベアハッグ2(ツー)、了解」
モーゼル:「ベアハッグ3(スリー)、了解」
アミー:「ベアハッグ4(フォー)、了解!」(まだ腹這い)
GM:では、君たちは、カタパルトで一気に加速されて空に放り出される。
凄いGがかかる。
百戦錬磨の君たちなら心配いらないけど、新兵の2割くらいは漏らすらしいよ。
ジーノ:マジか!?
モーゼル:漏らさなくて良かったー。
GM:で、急加速が終わると今度は落ち始める。
ジーノ:え?
もしかして、地面に激突する感じ?
むしろ、こっちのが漏らすわ!
GM:いや、アームズには滑空機能があるから大丈夫。
グライダーみたいに飛べるよ。
もともと翼がついていて、飛べる騎体もあるようですが。
アミー:私のファルコIIのことだね! (起きた!)
カトレーン:で、どうやって降りるの?
GM:目標地点まで近づくと、バーニアを噴かして、位置を修正しながら着地するんだよ。
カトレーン:おおー。
ジーノ:じゃあ、目標地点まで滑空する間、軌道がずれていないか慎重に確認しつつ、
「ベアハッグ2(ツー)から、ベアハッグリーダー。
全員、軌道のズレはないようだ」
ここは、ホラ、慎重にね。
カトレーン:「ベアハッグリーダー、了解。」
アミー:それじゃあ、私も!
「ベアハッグ4(フォー)からベアハッグリーダー!
シクラメン倒さないように操縦してねー!」
ジーノ:シクラメンの心配かよ!?
カトレーン:「はあ!? シクラメン!?」(キョロキョロ)
アミー:ロッカーの中だからね。すぐにわからないよ。
カトレーン:「うーん、しかし……。
ともかく今は、目標に向かって進むことが先決だ。
ベアハッグ小隊の初陣、抜かるなよー!!」
GM:などと言いながら降りていくよー。
一同:了解!
GM:君たちの足元に見える地面は、見渡す限りの荒野。
その中に輸送部隊が、ゆっくりと砂煙を上げて走っているのが見える。
そして、その背後からは、押し寄せるMISTの大群が。
モーゼル:MIST、いるんだ。
ジーノ:「ベアハッグリーダー! もう敵MISTがいるようだ!
改めてフォーメーションの指示を!」
カトレーン:「ウム。練習どおり!」
ジーノ:「ベアハッグ2(ツー)、了解!」
イヤイヤイヤ、「練習どおり」って、そもそも一緒にやったことないじゃん!
ナニ言ってんの?
大丈夫かなー、この人(笑)。
カトレーン:「ベアハッグリーダーから各隊員。訓練どおりのフォーメーションを確認!」
モーゼル:「ベアハッグ3(スリー)、了解!」
訓練したことないよね? (笑)
アミー:「ベアハッグ4(フォー)、了解!」
適当なフォーメーション名を言えばいいんじゃないかな!
カトレーン:「フォーメーションα(アルファー)、展開!」
アミー:ねえねえ、フォーメーションα(アルファー)って、どんな作戦なの?
カトレーン:えーと? 自分の考えなんじゃないの?
「みんながんばれ」的な。
モーゼル:「がんがんいこうぜ」じゃないの?
ジーノ:「いのちだいじに」だろ?
アミー:「とにかくにげて」だよー。
GM:逃げちゃうのかよ!?
ジーノ:「なにもしないで」
モーゼル:「ぼうりょくつかうな」
アミー:「おかねつかうな」
GM:結局、フォーメーションα(アルファー)って何?
ジーノ:「適当にやろう」的な感じのフォーメーションなんじゃないかなー。
カトレーン:「ベアハッグリーダーから各隊員。みんな、抜かるなよ!」
一同:「了解!」
モーゼル:「ブラックナイトに、また一歩近づいてきたか……!」
GM:では、君たちはゆっくりと荒野に降りていくぞ。
一同:おおー!
GM:じゃあ、マップ出してー。
ジーノ:マップ?
GM:ルールブックの巻末についているヘックスマップ。
切り離してー。
必要なマップ名は「荒野No.2」だよ。
ジーノ:わかったー。
ハサミある?
……あ、ハサミいらないじゃん。切り離しやすい。
モーゼル:色が違うヘックスがあるよ?
GM:マップの見方は、戦闘が始まる前に説明するよー。
コマの方はルールブックのカバーに印刷されているやつをコピーしてきたから、みんなで切ってー。
特に自分のアームズと同じコマー。
一同:おおー。
GM:じゃあ、ここでシーンを切るよ。
あ、全員、プロットしたエーテリックはチャージしていいよ。
一同:やったー! (全員、エーテリックをチャージして1枚補充)
GM:じゃあ、準備ができたら戦闘に入るよ。
一同:了解!
次回、いよいよ敵MISTとの交戦である。
ベアハッグ小隊として、先ほど結成されたばかりであるにも関わらず、
すでに『フォーメーションα(アルファー)』を展開するほどに統制が取れている。
まさに精鋭部隊。
しかし、しかしである。
何かが足りない。
そう思う方がいらっしゃるのではないだろうか。
彼らに足りないモノ。
―――そう。それは挿入歌である。
しかし、安心されたい。
なぜなら、挿入歌はここにあるからだ!
耳を澄ませば、聞こえてこないだろうか?
かの名作『北斗の拳』で流れていた『YOUはSHOCK!』のようなナイスなメロディーが。
あえて言おう。
ボリューム最大で聞いて頂きたい。
『ドラゴンアームズ改バハムートライジング』非公認挿入歌!
今回は、これを聞きながらのお別れである。
『BearはHug!』
作詞:下げ友
作曲:あなた
「Bear Hug! ♪
俺たち四騎のー 小部隊 ♪
Bear Hug! ♪
ナーガロンドのー 傭兵さー ♪
名前を決めるの 結構かかーったー ♪
かなり揉ーめたぜー ♪
MISTの奴らは
雷ひとーつでー おシャカさー ♪
Bear Hug! ♪
たまに俺たちー 頼られーるー ♪
バハムートーでも 知られる奴ーらにー ♪
今になーりたーい ♪
MISTを倒し ♪
アームズ強化もーするさー ♪
契約ちゃんと果たすためー ♪
俺たち戦いー ♪
MISTをー倒したー ♪
MISTを倒してナンボだー ♪
俺たちゃ傭兵 ♪
領土を取り戻せー ♪」
待て! 次回!
正しいゲーマーは、プレイを始める前にマップやユニットを準備しておきましょう。特にカッコいいフィギュアの取り合いが始まるゲームではドラフト会議も。




