◆12 ミドルフェイズ モーゼル「ブラックナイトは、俺が討つ!」
【シーンプレイヤー:モーゼル・ルーカス】
GM:ではモーゼル。
「バハムートの発艦近し!」というシーンです。
バハムートに、多くの動員兵や志願兵が連れて来られます。
モーゼル:志願兵、いるんだね。
カトレーン:作業とかで死んじゃうのにね。今日だけで二人も。
きっと騙されたんだね。
アミー:きっと、「ご飯がタダで食べられる」とか言われたんだね。
ジーノ:それってアミーの話だろ。
アミー:ちーがーいーまーすー!
GM:っていうか、みんなも志願して傭兵になったんでしょう?
人類を守るために。
モーゼル:まあ、そうだよね(建前)。
GM:でしょう?
モーゼル:だから、エーテリックをプロットしてもいいよね(本音)。
GM:結局、それかい!
モーゼル:へへー。
GM:ではプロットして下さい。
モーゼル:んー、どれにしようかなー?
(鼻歌『パンチライン』のBGMで、エーテリックをプロット)
GM:で、新規兵たちはバハムートの甲板にエアキャリアで連れてこられます。
モーゼル:じゃあ、その様子を見てる。
GM:では、あなたがボーっと見ていると、タラップからゆっくりと下りてくる人たちの中に、懐かしい顔があるのに気づきます。
モーゼル:「ウィリアム?」
GM:そのとおり。
僅かにカールした金髪、憂いを帯びた青い瞳、華奢で小柄。
少女と見紛うばかりの15歳くらいの少年。
モーゼル:ウィリアムって小柄なんだ。
僕よりどのくらい小さいの?
GM:そうですね。
モーゼルは身長何cmでしたっけ?
モーゼル:178cmだよ。
GM:では20cmくらい低いですね。
カトレーン:小柄だねー。
モーゼル:そっか。
で、ウィリアムは年下なんだ?
GM:そうです。
ウィリアムはあなたよりも年下だったので、小さいころは弟分でした。
モーゼル:弟分か。
GM:はい。
モーゼル:僕とウィリアムの距離はどのくらいあるの?
GM:そうですね。だいたい10mくらい。
モーゼル:じゃあ、ウィリアムの方に向かって歩いていく。
GM:向こうはモーゼルに気づいていません。
モーゼル:ねえ、GM。
ウィリアムって僕の悪口、言いふらしたんだよね。
GM:そうです。「エクスタリアの面汚し」と。
モーゼルの父親は裏切り者の犯罪者ですからね。
モーゼル:じゃあ、近づいていって、
「おい、そこのチビ助!
今日もまた言いふらす気じゃないだろうな?」
アミー:「チビ助」……。
ジーノ:「チビ助」ってスゴイ悪口だな。
モーゼル:だって、ちっちゃいんだよ?
カトレーン:まあ、そうだけど……。
GM:そうやって、モーゼルが声を掛けると、ウィリアムはしばらくキョロキョロしています。
が、モーゼルに気がつくとウィリアムは白い肌を真っ赤に染めます。
モーゼル:じゃあ、ウィリアムの方を偉そうに見てるよ。
アミー:偉そう、なんだ。
GM:そうすると、ウィリアムはモーゼルの方にツカツカと歩いてきます。
モーゼルの前に立つと、目一杯、手を上の方に振り上げて、頬を張ります。
アミー:手を振り上げる?
ああ! 背が低いから届かないんだ!
GM/ウィリアム:「チビ助だと!? 『アシュビー竜士殿』だ!
呼び方を間違えるな!」
GM:そう言うウィリアムの胸の階級章は、モーゼルより上の「竜士」です。
モーゼル:「おっと、ごめんよ。あんまり小さいもんだから『チビ助』って言いたくなっちゃったんだよ」
ジーノ:スゴイ挑発ぶり。そりゃ怒るわー。
GM:ウィリアムは、顔を真っ赤に染めて、もの凄い形相であなたを一瞬だけ見ます。
GM/ウィリアム:「所詮、下賤の子は下賤か」
モーゼル:下賤?
GM:あなたの父親が裏切った件ですね。
モーゼル:あー。
GM:そう言うと、今度はあなたの胸の階級章を見ます。
アミー:あ、ちょうど、目の前にモーゼルの胸があるんだね。
GM:そうそう。背が違うからね。
GM/ウィリアム:「……ナーガロンドか。
エクスタリアの騎士は、父の名誉を、祖父の名誉を、祖先の名誉を背負って戦うものだ。
父の仇、『ブラックナイト』は僕が倒す……!」
モーゼル:え? 「ブラックナイト」?
GM:あなたの父親のことです。
モーゼル:僕の父親の名前が「ブラックナイト」?
GM:いや、違うよ。
父親の名前は「スペンサー」。
「スペンサー・ルーカス」だよ。
ブラックナイトは称号だね。
モーゼル:もともとブラックナイトっていう称号があったの?
GM:MISTに寝返った時に、ブラックナイトって言われるようになったんだよ。
ジーノ:ヤバイよ! ブラックナイトはマジでヤバイよ!
ラスボス級にヤバイよ!
カトレーン:なんで?
ジーノ:たいていの話では、ブラックナイトと言えば、「最強の称号」だったりするからね。
『ファイブスター物語』の『バッシュ・ザ・ブラックナイト』とか。
GM:まあ、そうですよね。
ジーノ:つまり、この話の流れだと、俺たち、いずれはブラックナイトと相まみえることに!
GM:ですよねー。
アミー:ひ、ヒィィィィー!!!(両手で頭を隠す)
ジーノ:イヤ、いくら何でもまだだから。反応が早すぎる。
アミーこと時間をかける少女のリアクションには定評がある。
それもオーバーアクション気味。
っていうか、想像が現実を大きく凌駕してしまうタイプである。
どういう「ブラックナイト」を想像したのかジーノこと下げ友は知りたかったが、聞くのを忘れたので、結局、具体的にはわからなかった。
GM:モーゼルはゆっくりと子供のころのことを思い出します。
あなたとウィリアムは実の兄弟のように育てられました。
モーゼル:親戚なの?
GM:いや、モーゼルの父親とウィリアムの父親が親友だったんです。
それがMISTの侵攻1年後、つまり、今から4年前に、モーゼルの父親が祖国を裏切り、敵方であるMISTへ寝返った。
モーゼル:その時に、僕の父親がウィリアムの父親を殺したの?
GM:違います。
ウィリアムの父親は、モーゼルの父親を庇ったために、騎士の身分を剥脱されて職を失い、自殺同然に病死してしまったんです。
モーゼル:それで、「父の仇」なんだ。
GM:そうです。
カトレーン:それじゃあ、しょうがないよね……。
アミー:ウィリアム、かわいそうだね。
ジーノ:それなのに、モーゼルは、「チビ助」とか。ありえねー。
モーゼル:いや、たった今、僕も知ったんだし!
今さら、変えられないよ。
ジーノ:まあ、そうだな。
GM:まあ、そういうわけで、ウィリアムは去って行きます。
最後に締めのセリフをどうぞ。
モーゼル:「ブラックナイト……!
ウィリアム、お前が討つより、俺の方が先に討つ……!」
ジーノ:「何としてもブラックナイトを倒す」とかじゃないんだ?
モーゼル:うん。
GM:じゃあ、これでシーン終了になります。
モーゼル:あ、ウィリアムに対する「競争心」のロールプレイで、エーテリックをチャージできる?
GM:ああ、OKですよ。
好敵手っぽかったしね。
モーゼル:やった! 良かったー! (スペードのKをチャージ)
アミー:あ、絵札だね。
モーゼル:うん、早いうちにチャージしておかないとね。
GM:では、エーテリックの補充をどうぞ。
モーゼル:うん。(エーテリックを1枚補充)
GM:では、次のシーンに移りましょう。
あと、やっていないのはカトレーンですよね。
カトレーン:うん!
頑張るよ!
いきなり明かされたモーゼル・ルーカスの父親の秘密。
その名も「ブラックナイト」!
よくわかんないけど、名前だけでもチート級に強そうだよ!
このリプレイ、タグに「チート(ただしブラックナイト)」「最強(ただしブラックナイト)」を入れるべきじゃないかな?
あと、「男の娘」とか「チビ助」とか。




