◆11 ミドルフェイズ ジーノ「ですよね!? レイナさん!」
【シーンプレイヤー:ジーノ・ガリバルディ】
GM:じゃあ、ジーノのシーン。
ジーン:お、じゃあ、さっそくエーテリックをチャージする。
カトレーン:抜け目ないね。
ジーノ:忘れるとエーテリックのチャージができないからな。
GM:ん? シーン開始で、いきなりチャージ?
プロットしないとチャージできないけど?
ジーノ:ん?
あ! そっかプロットかー。(エーテリックをプロットする)
アミー:油断も隙もないね!
ジーノ:間違いだっつーの。
ただの言い間違いであったにも関わらず、何となくトゲトゲしい対応をされたと感じたのは気のせいか。
それとも、モーゼルに誘導されたジーノが、「先にやっときゃ、ロールプレイのハードルも低いから、簡単にエーテリックのチャージができるぜー」的なことを口走ってしまったのがいけなかったのか。
まったく、口は災いのもと、である。
GM:では、ジーノ。
現在、あなたがいるのはバハムートの上部甲板。
甲板の上には仮設のカタパルトが設置されている。
アミー:カタパルトって?
GM:アームズを撃ち出すための射出台ですよ。
アームズの両足を台に固定して撃ち出す装置。
カトレーン:おおー。
GM:で、本来のカタパルトは、バハムートの下部にあるので、地面に埋まっていて使えません。
それを、輸送船で移動してバハムートの甲板に設置して、ここからDAやRAを撃ち出そうというわけです。
ジーノ:なるほどー。
GM:それで、ワイヤーで機材を吊ったりして、カタパルトを設置する作業をしているんですが。
カトレーン:どんな作業?
GM:そりゃあ、やっぱり「オーライオーライ」「ダメだー」「ドカーン」って感じですよ。
カトレーン:え? どういうこと?
GM:見ているとね、作業をしているのは、新兵と学徒兵ばかりですね。
ジーノ:学徒兵?
GM:バハムートの中にある学校に在籍する生徒たちのことですよ。
一応、兵士扱いですけど、まあ学生です。
カトレーン:そんな人たちがいるんだね。
GM:何せ、バハムートの学徒兵になれば、大学に通えるうえに、学費はタダですからね。
カトレーン:それはスゴイね。
アミー:すごーい。
ジーノ:で、なんで「オーライオーライ」「ダメだー」「ドカーン」なんだ?
GM:そりゃあ、新兵や学徒兵はこういう作業にまったく慣れてないからですよ。
機材をワイヤーで吊る、落ちる、ドカーンですよ。
ジーノ:じゃあ、作業は全然進まないんだな。
GM:いえ、最終作業も近い感じですよ。
ジーノ:あ、そうなんだ。
じゃあ、甲板でその作業を眺めている感じかな。
腕組みして柱にもたれかかりつつ。
「この暑い中だってのに、大変なことだな」
アミー:何か、偉そうだね。
GM:了解。
では、ジーノがそうやって偉そうに見ていると、学徒兵たちの話が耳に入ってくるよ。
GM/学徒兵:「これで、今日だけで二人も死んでるんだぜ?」
ジーノ:ナニィィィーーー!!
いくら何でもそりゃ死にすぎだろ?
何でそんな死ぬんだ?
GM:だって、クレーンの操作はおろか、玉掛けもうまくできないんですよ?
アミー:玉掛けって?
GM:機材を吊す時、落としたりしないようにワイヤーで固定する方法ですよ。
ジーノ:いや、でも一日で二人も死んでりゃ、さすがにどうかと。
GM:ま、この世界、人の命なんて安いもんですから。
ジーノ:安すぎるだろ!?
GM:で、そんな感じなんで、当然、作業をしている新兵や学徒兵の士気は低いね。
そこに、作業を監督している兵士がハッパをかけています。
GM/兵士:「ちんたらやってんじゃねぇ!!」
カトレーン:何か、ヒドイ感じだね。
GM:で、ジーノがそんな光景を見ていると、その中に見知った顔があるのに気づきます。
ジーノ:お? 誰なんだ?
GM:バハムートの整備士レイナ・フォーサイスだね。
ジーノ:レイナさん、キターーーー!!
「お、レイナさんじゃないか」と見ているか。
アミー:ストーカーみたいだね。
ジーノ:違うわ!! 尊敬してるだけだ!!
つーか、作業も見てるし!
アミー:ハイハイ。
GM:では、ジーノがレイナばかり見ているうちにカタパルトの設置が終わったよ。
ジーノ:お、何だ。終わったのか。
GM:と、レイナが手を挙げて、
GM/レイナ:「ごめんね、みんな。もう一度やり直しよ。
これでは射出精度がダメなの。
このままだと、仮に200m撃ち出すと20cmずれるわ。」
カトレーン:こまかっっ!!
GM:レイナがそう言うと、学徒兵たちはブツブツと文句を言い出すよ。
GM/学徒兵:「ちくしょう、あの女……!」
ジーノ:じゃあ、尊敬するレイナさんのために、そこで割って入ろう。
「みんな、レイナさんの言うことを聞くんだ!
レイナさんの言うことはもっともだ!」
カトレーン:おー(感嘆)。
ジーノ:「ですよね!? レイナさん!」
GM:うっわ!
カトレーン:かるッッ!!
渋くやる、とか言ってなかったっけ!?
アミー:何それ、キモッッ!!
モーゼル:ねえ、最後のセリフ、明らかにおかしいよ!?
ジーノ:いや、俺は尊敬するレイナさんのために……。
アミー:いや、もういいって。
GM:つーか、スゴイ変わり身だね。
それに軽いし。
さっきまで偉そうに見てただけなのに。
ジーノ:お、おうふ……。
ジーノ、フルボッコ状態。
尊敬するレイナさんに、初めて声を掛けたのに。
ジーノ、カワイソウ。
ジーノ、ワルクナイ。
デモ、マケナイ。
ナレテルカラ。
GM:では、ジーノがそうやって言うと、
GM/学徒兵:「いいよな。アームズ乗りは。俺たちを炎天下でこき使って」
GM:と学徒兵たちが口々に、「アームズ乗りか」「いいよな、アームズ乗り」とか言ってきますが。
ジーノ:「……レギュレートなら、いつでも乗り手が足りないぜ?
レギュレートに乗りたきゃ来いよ。
もし希望者がいるなら、俺が隊長に話をつけてやろう」
GM:うわー、ムカつく。
っていうか、何、その態度の違い。
まあ、学徒兵たちは「レ、レギュレートになんて乗りたくない……」と言って口をつぐみます。
ジーノ:何か、全然いい気分がしない。
アミー/学徒兵:(低い声で)「ドラゴンアームズなら乗りたい」
ジーノ:マジか!?
アミー/学徒兵:(やはり低い声で)「レギュレートアームズには乗りたくない」
ジーノ:わざわざディスってんじゃねーよ!
あ、そうだ。
そう言えば、暑い中、作業をしてるけど、みんなの様子はどうなんだ?
GM:どう、とは?
ジーノ:飲み物とか、あるのか?
GM:いえ、ないですけど。
そんなことよりカタパルトの完成を急いでいるんで。
ジーノ:よし。じゃあ、〈調達〉の技能で冷たい飲み物とか差し入れできる?
※ 〈調達〉……一般技能。幅広いコネクションがある。物品の調達もできる。
GM:いいでしょう。〈調達〉の難易度8の判定に成功すればできます。
※ 難易度……行為判定の難しさの目安。詳しいことはGMが判断する。
「〜8」とても簡単。
「9〜11」簡単。
「12〜13」五分五分。
「14〜16」難しい。
「17〜19」とても難しい。
「20〜」極めて難しい。
GM:この場合、使用する能力値は【絆】ですから、【能力修正値】が+3、技能レベルが1ですから、4+2D6で8以上が出れば成功です。
ジーノ:じゃあ、判定するよー。(コロコロ)
3(能力修正値)+1(〈調達〉Lv)+5(2D6の出目)=9
難易度の「8」以上なので成功。
ジーノ:冷たい飲み物を買ってきて、
「とは言え、差し入れ持ってきた。レモン水。
さ、これでも飲んで頑張りな」
アミー:気が利くじゃん。
モーゼル:飲みたくなってきた。
ジーノ:「レイナさんもどうぞ。
みんな疲れてるみたいだから、一息ついたらどうですか?」
カトレーン:何か、学徒兵の時と全然違うんだけど。態度。
ジーノ:まー、ホラ、そこは仕方ないっていうか。
カトレーン:仕方ないんだ?
GM:すると、レイナは「ありがとう」と答えてから、腕時計を少し見る。
GM/レイナ:「いいわ。15分休憩!」
ジーノ:じゃあ、冷たい飲み物を持ってレイナさんのところへ持っていく。
「お疲れ様です。レイナさんもどうぞ」
GM/レイナ:「差し入れ、どうもありがとう」
ジーノ:「レイナさんにはいつも世話になってますからね。このくらい当たり前ですよ」
GM/レイナ:「みんな頑張っているけど練度が低すぎるわ」
カトレーン:まあ、今日だけで二人も死んでるんじゃねー。
ジーノ:「……何とかならないんでしょうか?」
GM:するとレイナは、暗い目をして、
GM/レイナ:「何人か、犠牲者が出ているの」
GM:と言って、ゆっくりと振り返り、血が付いたワイヤーを見ます。
ジーノ:「じゃあ、俺、休憩中にちょっと見てきますよ」
GM/レイナ:「ナーガロンドの任務はいいのかしら?」
ジーノ:「任務のためには、騎体を整備してもらわないと!
だから、レイナさんの手伝いをすることも任務の一環ですよ」
と言ってピシッと敬礼。
ワイヤーを点検しにいくよ。
GM:一般技能の〈機械操作・修理〉とか持ってる?
ジーノ:ないけど、〈知識(軍事学)〉とかじゃダメ?
ワイヤーの一般的な結び方とか、カタパルトの構造とか、ちょっとは知ってそうじゃない?
※〈機械操作・修理〉……一般技能。機械全般に対する知識・技能。
※〈知識(軍事学)〉……一般技能。軍事学の知識。
GM:なるほど。まあいいですよ。
では〈知識(軍事学)〉で、判定を。難易度は8。
ジーノ:ここで失敗したくないッッ! (コロコロ)
達成値14。成功。
ジーノ:おしッッ!(グッと拳を握る)
GM:む。それは相当達成値が高いね。
では、ジーノは、根本的に間違っている場所がわかります。
ジーノ:「レイナさん、ここですよ。
あ、俺の方で直しておきましたから」
GM:うわ、出た! デキる男アピール!
いるいるこういうヤツ。
アミー:何かウザイね。
ジーノ:フッ。何とでも言え。
というわけで、作業の続きを見ているよ。
GM:では、ジーノが遠目に見ていると、作業が無事に終了するよ。
ジーノ:死人は出なかった、ということで?
GM:はい。さすがに。たいした怪我人もありません。
ジーノ:なら、良かった。
GM:で、その光景をレイナは「まあまあ」という顔で見ている。
それに対して学徒兵や新兵は心配そうだね。
GM/学徒兵:「このままじゃ、バハムートが飛び立つ前にみんなすり潰されちまう……」
GM/新兵:「まあ、そう言うな。
これが飛び立つまでは慎重にやるしかない……」
GM:と、学徒兵たちがぼやいているところでシーン終了です。
ジーノ:って、プロットしているエーテリックのチャージは?
ほら、レイナさんを「尊敬」するロールプレイ!
ナイスロールプレイ!
GM:まあ、色々とアレだけど、「尊敬」しているのはわかったから、どうぞ。
ジーノ:よしっ! (ジョーカーをチャージ)
アミー:あーッ! ジョーカーじゃん!
カトレーン:ホントだー!
モーゼル:すごっ!
アミー:さっき、私がダイヤのAをチャージした時、文句言ったクセに!
ジーノ:言ったっけ?
アミー:言・い・ま・し・た!
ジーノ:あ、GM、新しいエーテリックいいかな? (エーテリックを1枚もらう)
さあさあ、次のシーンに行こう!
GM:なんじゃそりゃ。
モーゼル:次、僕がやりたい! (勢いよく挙手)
ジーノ:フッ。すっかりエーテリックのチャージに欲がくらんだようだな。
モーゼル:違うし!
GM:では、次はモーゼルのシーンということで。
一同:はーい。




