喋
言葉になりたいと想う
巡る血もこの吐息もすべて
言葉になってしまえばいいのに、と
口無しのタマシイが
私の中心を陣取っている
口無しの喋が
その周りに群がっている
言葉になりたいと願う
足先からつむじへと駆け巡る想いが
言葉になってしまえばいいのに、と
願う度に口無しの喋は
増え続け
沈黙を守ったまま
胸から溢れ出していく
どうしたって
私は空っぽになりきれないから
言葉に祈りを付け足してみる
あなたに手渡した言葉のあとに
ふわり喋が続く
言葉を交わそう拙い言葉を
拙いながらも
あなたに辿り着く言葉を
言葉を交わそう全てではない言葉を
頼りのないものでも
あなたに捧げる言葉を
交わした言葉がいつか
あなたの目となり
私の喋を見つけたのなら
どうかあなたの胸でそっと飼ってほしい