前置き
子供の時から、本を読むことが好きだった。中でもお気に入りは海外の児童文学。図書館や図書室から何冊も借りてきて、夢中で読み耽った。
当時好きだった本をあげてみると、ローラ・インガルス・ワイルダーの『大きな森の小さな家』シリーズ、ルーシー・モード・モンゴメリの『赤毛のアン』『可愛いエミリー』シリーズ(エミリーを読んだのは実際には中学に入ってからだが)、C・S・ルイスの『ナルニア』シリーズ、ヒュー・ロフティングの『ドリトル先生』シリーズ、トーベ・ヤンソン『ムーミン』シリーズ、他にもたくさんの本を読んだ。
こういった本の中には、たいてい食事のシーンが出てくる。そして、その料理が妙に美味しそうなのだ。中には聞いたこともないようなものもあったが、そういうものほど「どんな味なんだろう」と、好奇心をかき立てられた。特にお菓子類に心惹かれた。
ある程度以上の年齢になってから、お菓子を作るのが趣味になったのは、そういう経緯が関係していると思う。もちろん、他にも理由はあるのだが。
そんなわけで、私が子供の頃に、本の中でめぐり合った料理について書いてみようと思う。
ちなみに、私が子供の頃には、まだインターネットなどという便利なものはなかった。よって、本の中で謎の記述にぶつかる度、一人で悶々としなければならなかった。それが良かったのかどうかは、今でもちょっとわからない。