第四話 デート?いいえ、そんな生温いものじゃありません
「知らない天井だ…」
がばっと起き上がったのは魔導街のどこぞの病院らしいな
周囲を見回す
上は白い天井、んで、右側に中くらいのサイズをした窓、日差しらしきものが差しこんでるからどうやら昼のようだ
そして!俺の!左には!凛が居たのだ
「ゑ?」
「ゑ?じゃないわよ、ゑ?じゃ。
全く、襲撃者が来たからって飛び降りるなんて…あんたバカ?」
「いや、馬鹿じゃない筈だ…多分な」
「自信無さ気なのね…まぁ、いいわ。上に報告は既に終わったわ、それにより、イギリスとの正式な同盟が完了したわ。
まぁ、あくまで仮初の物、本気でアメリカが私たちだけを潰しに来たらイギリスは逃げると思うけどね…抑止力が少し上がっただけ」
「意味がなかったわけじゃないみたいだな、ま、とりあえず俺は退院できるのか?」
「そうね、唯の打撲だからね…まぁ、ビルから飛び降りたから、意識の混濁や狂気に走ってることもあるから起きるまで入院させて監視させるというのが病院の意向らしいけど」
「監視されてんのか…まぁ、いいや。さっさといこう」
「いつもの場所で皆揃ってるから」
「りょーかい」
貶されたけど!俺は!いつもの場所に行くんだ!!だって!皆が居るからーーーーーーーッ!!
閑話休題
「ん?なんだ、衛か…と一応反応しといてやるよ」
「反応どうもありがとう。っと、今日はなんにもしないよな~」
「今日はなーんにもなしですよ~遥は流と遊んでくるので~さらば~」
「そんな話は一切聞いていない」
「そんなことはど~でもいいのですよ~」
「蒙昧な…」
「意味が違うのですよ~」
ありゃ?流さん?あんた、幼女(幼女ではない)キャラを連れてどこ行くんだい?ヘヴンかい?
「行って来い!と言っとくぜ!この坊主が」
「行ってらっしゃーい」
「………くそ」
はっ!俺としたことが!つい本音が!!唯一の友達の事を…まぁ、いいか
「行くのですよ~」
ああ!入り口を蹴破って出ていってしまう!俺の癒しが!!
「…あんたも!付き合いなさい!」
あれ?凛さん?なんで僕の右腕が腕ひしぎ固めを決められているんでアダダダダダッ!!
「あのちょっとその、」
「諦めろ、と言っとく…おれもナンパしてくるか」
「ちょっ!」
俺の制止虚しく、時雨も蹴破られた扉から出て行く…ああ!マンションの一室の扉の代金いくらだと思ってるんだ!
「さ!行きましょっ!」
「うあっ!つあっ!ちょぎっ!!」
さよなら!俺の天国よ!!
2
うふふっ、あはははっ、うははははは?
なんてこたぁ、おきませんよ?
「ほら!早く来なさい!!」
「うぃ~」
いや~街というのは賑やかだな…平日の昼日中に関わらず結構な人がいる
「なによ。…ほら、最初の店はここにしましょ」
「うぃ~」
「気怠そうな返事はやめなさい!」
「はい!」
「よろしい」
……………………………………………………………
ごほんっ!
荷物持ちは大変だったとだけ、言っておこう
まぁ、その地獄がいつまでも続くわけがないだろう!
ご飯だ!飯だ!ランチだ!!
え?意味は同じだって?んなこまけぇこたぁどうでもいい!
「お!嬢ちゃんじゃねえか!こんなところで何やってん…だ?」
なんかエンカウントした
別に知り合いじゃないので放っておこう
「あら、大崎じゃない。どうしたの?」
「………」
おおう!凛を見た瞬間アホみたいな顔している変なやつが俺の目の前に居る!
仕方がない…助け舟を出してやろう
「そこの…大崎だっけ、そこの凛は俺を荷物持ちにお遊び中だ。別にデートなんかじゃねえよ」
「………んぁ!?そ、そうか、そうだよな、この街に有名轟くあの神崎凛が、どこともしれねえ馬の骨を連れ回してデートしている訳がねえよな」
「そうだそうだ、何処とも知れない馬の骨を連れ回してデートしているわけがないだろーが、凛を舐めすぎだ」
まったく!舐めてもらっちゃ困るよ!
「そうだよな…くっ!俺としたことが…もっと魔術を磨かなければ!!」
「そうしてちょうだい」
ありゃ?空気だった凛が蘇った?くそっ!脱出すれば良かった…
「あばよ!!」
乾いた笑いを押し殺した顔をしてでてった…自己中か?
「…あいつはいい奴だから、勘違いしないでね」
出てく背中を横目に見ながらクールビューティーこと凛が口を開く
「ああ、分かってるよ、なんつうか…槍使って闘いそうな奴だな」
クー・フー◯ンみたいな雰囲気だった
「へえ、意外に知ってるものね。大崎曹迅って名前なんだけどね。槍を使って近接戦闘が得意な魔導師よ」
「なぬ!!やるな…」
「そうよね~魔術師のあんたよりは強いわね」
「うぐぐ…」
「ほら!ご飯も食べ終わったし行くわよ」
言い返せない自分が悔しい!!
つーか、どこ行くつもりなんですか?凛さん?凛さーん!?
ミッションオーバー!シーキューシーキュー、敵は強大だ!COOLに決めろ!
なんか電波貰った
さっさと行ってしまう赤い大魔導師の背中を追いかけるように俺も足をすすめる事にした
・・・・・・・・・・・・
場所は!なんと!聞いて驚け!公園だ!
はいどうも、美少女と(美女だな)公園で遊ぶイベントを達成しました、宍戸です!
はい、そこー!弓を構えないで!そっちは剣を握らない!
む!凛が口を開くぞ!拝聴、拝聴
「なんで…」
なんで?
「この街に来たの?」
そう来ましたか!いやはや、この宍戸衛、一本取られましたぞ!
…え?これって答えたら駄目なフラグじゃないの?
「そうだな…俺の家って貧しかったんだよ。
陰陽師っていう怪しげな仕事だったし、それでさ、この街の噂を聞いた」
「………」
あれま、辛気臭いな…まぁ、話し始めちゃったし、いいか
「幼かった俺と同じぐらいの…10歳ぐらいの少女が、魔法使いになったって噂。
魔法使いに成れば支援金ってやつは桁違いに貰えるらしいじゃん?それに憧れたんだよ。
母さんは働きすぎて死んだ。
親父も、俺を育てて、ここに入れて死んだ。
金がないのは、あまりにも不幸だって、そう思うようになったんだ。
だからさ、魔法使いになるためにここに来たっていうのが理由かな」
なんか辛気臭いので凛に話を振ることにした
逃げてない!凛が喋りたそうな顔をしていたんだ!(嘘)
「…そう。
辛気臭いのは止めましょ!さぁ、遊んだ遊んだ!」
むう、気を遣わせてしまったみたいだな…
「そうだな…遊ぶぜ遊ぶぜ!」
とりあえず、今は遊ぼう
凛に変に気を遣わせるわけにもいかないし、明るくやっていこう!
そう思って、ベンチから走りだした凛を追いかける
ここは魔導街
魔術が日常とされるわけで、
何でもありの、街
故に、
「(キュピーンッ!)必殺!野生の勘を発動!!凛!前から来るのは不良だ!派手に蹴散らせ!!」
路地裏に飛び込めばストレス発散の種は尽きない
「了解!後ろは任せたわ!!」
後日、不良の集団の殆どが、街から消えた
そして、赤い服の女性と、赤い上着を羽織った男性の伝説が流れた
感想評価が俺の力となる!
唸れ!俺の右腕よ!!