第三話 後ろを向いたらジェイソン君っていうのはあたりまえだよね
「皆!戦闘態勢!数は20程よ!流は錬成の準備!遥は援護!私と時雨は突っ込むわよ!」
何処から出てきたのか、悪役ですよ~みたいな黒い霧をまとってぞろぞろ出てくる…はぁ、お二人さんは何をしてんのよ!
「そう怒るな。こっちも援護する…ついて来れるか?」
「上等!!」
気障に私の目の前にやってきて二、三人を風で切り刻むと気障な言葉を発してくる…ああ、もう!いらつくわね!!
時々、大威力の赤い流星が遥か遠くから飛んで来るのを見ると未だあそこで狙撃してるんだろう…危険ったらあらしないわね!!
「創れ万物を、磨け物質を…手に取るは必殺の一撃」
流も詠唱が終わった、その瞬間に手には青色の長刀が握られていた
「遥、私の影に隠れてろ。突っ込むぞ」
そして、いつもの光景のように、遥は流の身体能力上昇を掛けて流の背中に負ぶさっている
「よっしゃいくぜ!!お前ら覚悟してろよって言っとくけど結局紛い物のテメエらじゃ理解出来ないよな、と言っとくぞ!」
何気ハイテンションの時雨はというとそこら辺に落ちているあらゆる物、石、コンテナ、ビル、果ては原子を使い、最凶の雨となる一撃を繰りだそうとしていた
「さぁみなさんごいっしょに!ダンスして世界が終われば皆happy!」
そして、総勢20個の
「世界終焉演舞の最中!!!」
味方すら巻き込む滝のような一撃が、相手に降り注いだ
「くそっ!半分が殺られたぞ!術式の展開をしろ!術式内容は5番だ!派手にやれ!!」
流石に相手も人間だ、数では勝ってるとはいえ、自らの危機に瀕すれば頭が回る
そして、残っていた奴らが大規模術式を展開する
「神の言葉は我らの導きであり、神の指示は絶対の物!!」
そして、大規模術式の中でも最速の詠唱が紡がれ、神の息吹が凛達に襲いかかった
ドガァアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!
耳を劈く音、されど、欠けたものは誰ひとりいなかった
「神の息吹…アメリカの術式のようね…まったく、手こずらせないでよ」
凛は防げて当然とも言わんばかりに、逆に自分の髪が傷んでないかを調べるぐらいの余裕があった
「やはり、アメリカが動いているようだな。此処は任せたぞ、俺らは英国にこの事を報告して早急に動く」
凛のとなりに立つのは気障な金髪の男性
最初の頃とは打って変わって、無愛想な雰囲気は一切抜けている
そして、
「了解したわ…じゃあ皆、突撃!!私は宍戸を迎えに行くわ!」
「りょーかい(承知した)(わかりました~)」
止めの一撃を秘めた魔術師が、アメリカの馬鹿共に肉薄していった
2
俺空気だ!!
どうしよう…俺空気だよ…ああ!俺のからだが透けてきている…親父…俺、ここまでみたいだ。
!?この声は親父!!なんだ?何を言いたいんだ?
「アーチャーの声はテニスの王子様の一人と同じなんだ…」
分かってるよ!?てか、親父いつの間にそんな通になっちゃったの!?
「ついつい、若い子に勧められるとだなぁ…これを見れば付き合ってくれるっていうからさ」
駄目だぁあああああ!!それは悪質な商売だ!!!親父!逃げて!!
「いや、お前も逃げろ。後ろに変なやつだ」
ゑ?
いや…これ、後ろ見たらダメ系ですよね
後ろ見たらサクッ系ですよね
ええい、ままよ!!
「俺はお父さんだ!」
知ってるよ!馬鹿な事言うなよ!…ええい、ちちよ!!
「………」
沈黙が痛い!やめて!そんな目で見ないで!!
ふう…後ろ向こう
「チラリッ」
「ニヘラッ」
「キモッ!」
「■■■■■■■■■■■■━━━━━━━ッ!!」
「切れた!助けて!!」
違うんだ!後ろ見たら、キモイ顔した異形の魔物がこっちみて間近でにへらっって笑ったんだ!嘘じゃない!信じてくれよ!!
だ☆か☆ら☆!俺は風となる!!
さぁ!踏み出そう!虚空の中の強風吹き荒れるビルの屋上の外へ!逃げ道はここしかなーい!!(笑…主に絶望の)
「うおおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
耳が痛い!口が痛い!てか着陸方法不明だ!!…親父…俺、もうすぐそっち逝くよ
Q 高さ百メートルの建物から飛び降りた場合、どうなると思うでしょうか?
答えは途中で気絶すんだよ!賢くなったな!
という訳で、私宍戸衛は意識を手放すことを誓いマッスル
Goodbye!
ドゴッ!
「ふう…間に合ったわね」
先ほど数キロ離れた少女が、僅か数分で到着していた
連続投稿です!
今回はバトルメインです
というか、始まって三話目で既にこんなんですが…感想・評価まってます