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世界の終わり

 ピカッ──ドッカーーン!閃光(せんこう)。そして、雷にしては大きすぎる音。その瞬間、世界は終わった。


 「ぅ、あぁ、何が、起き………っ!」


エリアス・ブラント、この世界で唯一の人間。彼が最初に目にしたものは、地の果てまで続く砂漠だった。食べるものはもちろん、虫一匹すらなさそうな乾いた地。仕方がないので食べ物や水を探すためにそこら辺を少し歩いてみた。すると、勇敢にもさっきの衝撃(しょうげき)に耐えて少しだけ残っている図書館の残骸(ざんがい)を見つけた。彼は、何か役に立ちそうな物がないかと思い、図書館に寄ってみた。


「……食べ物は無さそうか。じゃあ、少し本でも借りるか、って言ってもほとんど紙がこげて読めそうもないな」


そう言いながらもぶらぶら歩いていると、一つだけ全く傷がついていない本があった。エリアスは気になってその本を手に取った。


「小説だと大体こういうのって開いたら異世界転生かなんかするんだよなー」


そんな冗談を言いながらその本を開いてみると、本が光り出し、エリアスの目の前にさっきまではなかった大きな扉が出現した。まさかと思って扉を開けて見ると、そこは───。


 「…………ぇ」

「…………してよ!」

「ねぇ、大丈夫!?返事してよってば!」


突然エリアスの目に美しい女の顔が飛び込んできた。我に返ったエリアスは自分が気絶していたらしい事が分かった。道のど真ん中に寝転がっている人など、気絶している人以外はなかなかいないだろう。そこでエリアスは重大な事に気がついた。

「人が、いる……」

「何を、言っているの?夢の話?」


女に自分のさっきまでの事を「夢」の一言ですまされ、彼は憤慨した。


「夢だって!?そんな訳ないだろ!あれが夢だったら僕は死んでもいい!あれが夢だなんて、そんな事……そうか、分かったぞ!」

「何?何なのさっきから?情緒不安定(じょうちょふあんてい)なの?」

「違う、思い出したんだよ!僕はこの世界に来たんだよ、あの本を通して」

「何、あの本て…それに、そんな小説みたいな事あるわけないでしょ」

「いやあったんだよ」

「あーもしかして、あなたが持ってるその本?なんちゃってwそんなこと……」

「……あっ!これだよ、これ!この本!」

「えっ…」


エリアスは自分が本を持っていることに気がつき、元の世界に戻るため急いで本を開こうとした。しかし、女はそれを止め、こう言った。


「ねぇ、待って、それが本当なら私も連れてってよ」


エリアスは少し考えてから言った。


「ダメだよ、君みたいな女性は連れてく訳にはいかない、これから僕は人類を、文明を、世界を取り戻す旅に出るんだ、危険もともなうだろうし、それに、君は家族がいるんじゃないのか?」

「いいえ、私、家族はいないの、それに、危険がともなう事は覚悟の上だし」

女は真剣な表情で言った。エリアスはその表情から女が嘘を言っている訳だではない事を確信した。

「……そうか、分かった、僕はエリアスだ、エリアス・ブラント」

「私はユーリア・レイス、よろしくね」

「ああ、よろしく」


こうして2人の冒険は幕を開けた。これからどんな試練が彼らを待ち受けているのだろうか──。




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