アタリの夢を見よう
注意事項1
起承転結はありません。
短編詐欺に思われたら申し訳御座いません。
注意事項2
薄い恋愛です。
前半戦は結構アタリでした。
「おや、起きた」
気が付くと私は彼の膝を枕にし、船を漕いでいたらしい。寝ている間も髪を撫でてくれたのか、大きな手が頭上に触れていた。比較的、在り来りな日常だった。
むくりと起き上がり、彼の顔を眺める。菩薩のような微笑みが此方に向けられる。
「どんくらい寝てた?」
「早三時間。結構魘されていたね」
「あー……。結構幸せだけど、後半不幸な夢の話をしよう」
目覚めると私は日本家屋の一間にいた。襖を超えた窓は硝子張りで、緑と石の枯山水硝子見える。新調された畳は青青としていて、井草の香りが立ち込める。そこで私は赤い……? 赤い着物を着て、ただ直立に立っていた。
部屋から視線を逸らし、後ろを振り向くと、焦げ茶の卓袱台の上に寸胴グラスが一つ。中には木苺と言うには大き過ぎる、手の平台のベリーが二つほど入っていた。下は真っ赤、上は真っ黒。さして珍しいとも言えない光景ではあったのだが、人を惹きつけるには十分過ぎる。
なんと、言うのだろうか? 何かの液晶の待ち受けにありそうな、癖のない、作り物めいた美しさ。兎にも角にも釘付けになって、その場で微動だに出来なかった事は覚えている
それから場面がぐるりと反転し、私は寝室にいた。時計を見てみると、既に予定を大幅に過ぎて、後数分すれば業務が始まってしまう状態。
私は真っ青になりながら、何故かベッドの上にあった朝食を詰めんだ。口周りに米粒が着いているが気にしない。そうして母の叫ぶ声を聞きながら、昨夜詰め替えたばかりの鞄を手にした。
その鞄が余りにも異常。アーチ状に掛けられた持ち手が糸のように細い。多少乱雑に扱えば切れること間違いなし。こんなんじゃ満員電車で千切れちゃうよ!!
「あぁ時間ないし、なんか知んないけど寝室で米食ってるし、鞄の持ち手細くて切れそうだし、遅刻確定だし、最悪!!」
そこで思い切り目が覚めた。冒頭部分まで巻き戻し。彼の顔と向かい合って今に至る。
「流石!! 君の夢はカオスだね」
「二度寝はするもんじゃない。でも偶にアタリ引くから辞められない」
「じゃあ次は、私と一緒に寝ようか。少しでもアタリを引けるように」
そう言って、二人共度ともその場に寝そべった。願わくば、前半の幸せな夢が見れる様に。
こんなカオスな夢を見ました。
夢占いしたら、結構刺さったり、刺さらなかったり。
人の顔に泥を塗らないように頑張ります。
コミュ障は社会に出てから本当に『( °-° )エッ…』になります。
パソコンとかスマホの元から入ってる待ち受けって、癖がなくてオシャンなものが多いじゃないですか。
今回もそれです。
夢の中で見たラズベリー、めっちゃ大きかったです。
そうしたら遅刻確定だわ、寝室で米食うわ、持ち手糸だわで、『もう無理だ!! 有り得ない!!』と叫びました。
夢でした。安心です。