表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
美根我の気掛かりな時間  作者: しろ組
6/10

五、気がつけば…

五、気がつけば…


「う…ん…」と、逗子は、薄暗い場所で目を覚ました。そして、記憶を整理した。腹パンチを受けたところから、しばらく担がれ、坂道を下る感覚までは、(おぼ)えていたからだ。間も無く、「うっ…」と、腹部の痛みに、顔を(しか)めた。そして、「夢じゃないんだ…」と、呟いた。昨夜の出来事は、全て、現実なのだと認識させられたからだ。

 そこへ、「メリケン兵は、何時(いつ)頃、来る予定だ?」と、離れた場所から、模罹田の声がした。

「灰吉さんの家を更地にした駐車場の管理小屋に、お昼頃とか…」と、名前の判らない男が、回答した。

「なるほど。あそこなら、メリケン兵の車の出入りが、多いから、取り引き場所としては、最適だな」と、模罹田が、嬉々とした。そして、「昨夜の女子供(メスガキ)は、どうして居る?」と、尋ねた。

「さっき、扉の隙間(すきま)から(のぞ)いたのですが、起きて居る風は、なかったですね」と、名前の判らない男が、回答した。

「腹パンチが、効き過ぎたか…」と、模罹田が、口にした。そして、「まあ、金さえ貰えれば、生きて居ようが、死んでいようが、どちらでも構わんがな」と、言葉を続けた。

「そうですね。このご時世、孤児(みなしご)が、一人居なくなったところで、誰も気にしないですからね」と、名前の判らない男も、同調した。

「おい! あんまり、ここで、軽々しく口にするな!」と、模罹田が、怒鳴った。

「は、はい…」と、名前の判らない男が、萎縮(いしゅく)した。

「さあ、開店準備に取り掛かるとしよう」と、模罹田が、意気揚々と言った。

「そうですね!」と、名前の判らない男も、相槌を打った。

 程無くして、二人の足音が、遠ざかって行った。

 逗子は、体力の温存の為、動かない事にした。灰吉の駐車場ならば、人目に付きそうだからだ。なので、今は、もう一眠りするのだった。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ