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7月17日 練習試合(東宝高校戦)4

 時間をスマホで確認。時刻は、10時10分を過ぎていた。いつもなら、練習を開始している頃だが、今日は、大会前最後の休みだった。もう、この休みを終えると大会が終わるまでおそらく、休みはない。俺たちの初戦は、25日の取手高校戦。後、8日後に迫った試合に向けてみんな真剣ムードが漂っている。今日、しっかり休んで、明日からの練習を頑張ろうと思っていた。


 ー7月14日ー

  

 6回表を終わって、2対5。俺のタイムリーヒットで先制したものの、4回、5回に点を取られてしまい、3点のビハインドとなっていた。6回は、1番の優聖が打席に入った。ここからは、選手も変わっていく。なかなか、勝ちゲームにするのは難しいけど、なんとかくらいついてほしいとベンチから願っていた。東宝高校のエース東阪は、まだブルペンにおり、マウンドには上がってこない。

 大きな歓声とともに、1塁ベースを回る優聖がいた。センター前ヒットかぁ。続けよ!!ベンチから大きな声を出し、葛西の代打として、小川が出てきた。コツイらは、最近スタメン出場の機会が減り、試合に出たそうにしていた。小川の後も、安田、向井と2年生勢が代打で控えている。この重苦しい展開をなんとか打破してほしかった。代打小川は、きっちり送りバントを決め、ワンナウトランナー二塁として、安田を迎えた。

 カーン!!!レフト頭上に飛んでいく打球を見つめた。どうやら、初球のストレートを捉えたみたいだった。ベンチに甘んずることなく、きっちり結果を出し、タイムリーツーベースとなった。打席には、向井が入った。俺たちが引退すれば、次はコイツらがチームの主軸を担っていくのだ。ちゃんとしてもらわないと困るのもわかる。ベンチ外からは、次期キャプテン候補の小山、長距離砲の古山など虎視眈々とレギュラーの座を狙っている。コイツらもうかうかしてられないわけだ。

 向井は、きっちりセカンドゴロを打ち、ランナーを進める。ここで、代打健太郎が入った。ベンチ内からは、大きな声が聞こえる。半分ヤジまじりだけど。最後まで、スタメン争いに巻き込まれている健太郎は、この場面でどうするだろうか。先ほど、優聖は、鮮やかにセンター前に弾き返す。健太郎、お前はどうする?心の中で健太郎に問いかけた。ここで、ヒットを打とうものなら、レギュラーにまた一歩近づくぞ。気合いの入った健太郎の顔を見ていると、応援せずにはいられない。ベンチの最前列へと歩みよった。

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