7月16日 練習試合(東宝高校戦)3
俺は、フリーバッティングの様子を外野手から見つめていた。バッティングゲージには橋本が立っていた。センターを守っていた俺は、橋本の打球を追っていく。今は、八幡がボールを追っていく。ボールは、八幡の頭上を越えていく。陸上部の若林がボールを拾ってくれたみたいだった。今度は、大きな金属音とともに右中間に飛んでいく。
ー7月14日ー
俺の放った打球は、ライト前へと運び2点タイムリーとなったのだ。これで2対0。2番の八幡がショートゴロでゲッツーとなりチェンジとなった。2打席たった俺と八幡は、ベンチへ退くかたちとなった。センターには、早川、ショートには優聖、ピッチャーには、竹田が入った。
健太郎「ナイスバッティング!!」
俺 「あざっす」
健太郎と拳を突き合わせた。
健太郎「上手いこと打ったな」
俺 「タイミングあったな」
さっきの打席は、本当にキレイに打てた。
健太郎「俺も代打で待機するしかないな」
俺 「健太郎も打てよ」
まだ、セカンド争いは解決していない。この試合が終了するまでどうなるかわからない。
健太郎「ピッチャー変わりそうやけど」
俺 「投げるかな?」
健太郎「東阪?」
俺 「ああ」
東宝高校は、エースの東阪がブルペンで投球練習をしていた。俺たちに投げるというよりは、群馬北高校相手に投げるのだろうな。
健太郎「あのピッチャーって、最速150km出るんでしょ?」
俺 「らしいな。スライダーとチェンジアップがいい感じらしいよ」
俺たちでも知ってるくらい有名なピッチャーだった。俺が初めて見たのは、昨年の全国大会。2年生にして先発して13奪三振とったのは記憶に鮮明だった。
健太郎「へぇー。淮南の湯浅みたいなイメージなんかな?」
俺 「あー、そうかもな。湯浅の進化系やな」
"聖淮戦"では、佐藤が先発だったけど夏の大会では湯浅がエースになっている可能性が高い。
健太郎「ハハハハ。東阪打てたら、湯浅の攻略は余裕だな」
俺 「そうだな」
東阪は、長野県予選にはいないから、今日出てきたらいい感じに練習できると思った。
健太郎「竹田頑張ってるな」
俺 「ああ。粘り強く投げてるよな」
健太郎「この試合勝てたら、いいリズムで入っていけるよ」
俺たちは、竹田の一生懸命投げる姿を見つめていた。




