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7月10日 期末テスト3日目

 鋭い打球が飛んでくる。俺は、前に全力でダッシュしていく。左手で鋭いゴロを捕球し、右手に持ちかえた。そして、ショートの八幡にボールを投げこんだ。そして、ボールを受けた八幡は、キャッチャーの橋本に送球したのだった。キャッチャーの橋本から、大きな声が聞こえてきた。俺の後には、永谷が同じようにショートにボールを返した。

 センターラインは、野球で最も重要なポジションだと言われていた。俺は、そこまでセンターは重要じゃないと思っていたが、みんなが言うんだったらそうなんだろうくらいにしか思っていなかった。聖徳高校のセンターラインは、俺、健太郎、八幡、橋本になるだろう。健太郎は、小学生から知っているから問題ない。八幡も、高校1年生で同じクラスだったということもありよくわかっていた。そして、同じクラスになっていない橋本に関しては、話す機会こそ少ないけど、向こうからたくさん話してくれるから、大体どうしてほしいのかは理解できた。

 俺は、橋本に応えるように大きな声を投げ返した。ノックは、ライトへとうつっていく。ライトは、大会当日誰が守っているのかわからないくらい激戦区になっていた。それでも、みんな楽しそうにしている姿を見れたのはとても嬉しかった。他の生徒もテストから解放されたせいかみんな伸び伸びと野球をしているように感じた。いよいよ、野球のみになった。部室でテストの話をする者は一人もいない。ずっと、野球の話か初戦の相手である取手高校の話しかしていなかった。これまでだと、試合に出そうな者、レギュラークラスの選手ばかりだったが今は違う。早川や山田といったサブの選手たちもみんなを盛り上げるように話をしてくれる。いったいどんな変化があったというのか?そんなことを考えさせるくらいの一体感だった。

 俺は、明日から野球漬けでいけるのがとても嬉しかった。今日は、期末テスト最終日だった。保健体育、音楽と俺の成績にはあまり必要ではなかったので、テキトウに試験をこなし野球に来たのだった。目標だった5教科430点は、7割くらいの可能性で達成できるんじゃないかと思っていた。5教科の中では、一番数学が上手くいかないと思っていた。けど、英語や社会という文系の科目は自信があった。本来は、数学と理科でないとダメな気がするけど、まぁいいか。俺が求められているのはあくまでも結果。どんな内容であっても結果が出ていれば問題ないことを高校生活で習った。

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