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5月21日 ラストフォー

 今日は、数学の時間が先生の体調不良のため、補習になった。俺のいるクラスは、3年5組。理系のクラスになる。俺たちは、2年生から同じメンバーなので、気心もしれている。クラスの中心には、サッカー部の宝来、テニス部の畠。バスケ部の仲原。陸上部の井上。そして、女子の新垣。


 宝来「畠、トランプしよーや」

 畠 「補習しろやぁ」

 宝来「いい子ぶんなってぇ」

 畠 「ええて」

 宝来「そんなん言うて、したいんやろ?」


 宝来は、畠のところまで歩いてきた。

 

 畠 「こんで、いいて」

 宝来「イノッチやろや」

 井上「いいよー」


 イノッチも畠の席に行こうとした。今度は、俺に声をかけてきた。


 宝来「侑大もしよ」

 俺 「ええよ」

 畠 「何すんの?」

 宝来「うーん。大富豪?」

 畠 「また、大富豪かよ」

 宝来「違うやつがいいん?」

 畠 「もう、飽きたわ」

 宝来「じゃあ、ラストフォーする?」


 野球部では、大富豪が定番なので、珍しかった。


 畠 「何それ?」

 宝来「イノッチ知ってる?」

 井上「知らんなぁ」

 宝来「侑大は?」

 俺 「あれ、足していくやつ?」

 宝来「そうそう。おもろしろいよな」

 俺 「結構、頭使うしな」

 宝来「やろ。始めよ」


 〈ラストフォーのルール〉

  1 トランプをそれぞれに5枚ずつ配る

  2 配られた5枚の中から、4枚を選んで、カードをふせたままセットする

  3 ジャンケンをして順番を決める

  4 順番がきたら、攻撃か補充を決める。攻撃の場合は、相手のセットした4枚の中から1枚を決めて、そのカードと自分のカードと勝負。勝負は、数字の大きい方が勝ち。負けたら、勝負に負けたカードを相手に渡す。勝負を申し込まれた相手は、カードを一枚捨てると、勝負をしなくてもよい。補充を選んだ場合は、セットしたカードの上に自分のカードをのせることができる。のせたカードは、その数字を足した数となる。


 宝来は、持っていたトランプを出して、カードをシャッフルしはじめた。補習だったが、本当に勉強しているのは5、6人程度だった。残りの20人程は、寝ていたり他の人と話をしている様子だった。

 宝来から、カードが配られ、ゲームがスタートした。ジャンケンの結果、畠、俺、宝来、イノッチの順番になった。俺のセットした数は、左から、K、10、8、6。手札には、5。

 畠は、イノッチに勝負をしかけて、畠が勝ち、イノッチのセットしたカードが3枚に。俺も、Kとイノッチのカードと勝負。イノッチのカードは、6で俺の勝利。イノッチのセットしたカードは、残り2枚となった。続く宝来は、畠に勝負をしかける。しかし、畠は、イノッチの時に勝利したカードを捨てて、勝負をしなかった。ようやく順番が回ってきたイノッチは、勝負をしかけずカードを補充した。

 ゲームは、二週目に入った。畠は、このターンもイノッチに勝負をしかける。イノッチは、勝負をうけるも、またしても負ける。いよいよイノッチのセットしたカードは残り1枚となった。

 すると、ガラガラと前の方で音がした。俺は、カードを置き、前の方を見た。すると、教室の入口から、野間が入ってきた。野間は、野球部の顧問だ。野間が入ってきた瞬間、俺の何かが壊れていく気がして焦ってしまった。

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