7月4日 ボールバック
今日は、以上な暑さだった。いつもよりも、汗がたくさん滴り落ちていた。俺は、ノックを受けながら、永谷たちと話をしていた。外野ノックが終わり、内野と合流したノックへと変わる。ボールを取った俺は、ショートの八幡へとボールを投げた。
永谷「暑すぎ」
俺 「いやぁー、暑いな」
俺たちは、急いで定位置に戻ろうとしていた。
永谷「早よあがらせろよ」
永谷は、だいぶ怒っている様子だ。
俺 「ホンマそれやな」
永谷「くそ、マジで終わったらアイツにキレる」
さっき受けたはずのノックは、もうレフトまで来ていた。
俺 「誰にキレるんや?」
永谷「それは、橘や」
さっきまで、内野でふざけている橘に目がいっているみたいだ。
俺 「たしかに。アイツ、ふざけてるな」
永谷「やろ?」
俺たちは、再びノックを受ける準備をした。
俺 「そろそろ、くるな」
永谷「そうやな」
俺たちは、ノックのボールを受ける声を出した。来いや!!監督は、俺から見て右の方にボールを打ってきた。また、走らせてくるのかよ。右にダッシュし始めた。決して、取れないというボールではなかったが、この暑さの中で、これだけ走らされるとキツい。なんとかボールを捕球した俺だったが、さっきまでの勢いはなくなっていた。俺の後に、永谷がボールを受けた。永谷は、まだ何かブツブツ呟いているみたいだ。まぁ、これだけ暑ければ文句も言いたくなる。ノックを受け終えた俺たちは、ゆっくりと歩いていく
永谷「あかん、もう無理」
俺 「次、最後やな」
永谷「まじか」
俺の声で、少しは気持ちが晴れたみたいだ。
俺 「あと一本」
大きな声で選手を鼓舞した。
永谷「早く終わってくれ」
その通りだ。
俺 「この後、トレーニングあるかな?」
永谷「いやー、いらんな」
通常であれば、この後ランニングや筋トレがある。今日もあってもおかしくないのだが、この暑さでやりたいとは到底思えない。
俺 「ホンマな」
永谷「これ以上走らされるとキツイな」
俺たちは、再び定位置に戻って行った。
俺 「たしかに、ランニングはやめてほしいな」
永谷「いや、筋トレもやめてほしい」
俺たちの本音を永谷は、包み隠さず話してくれた。すると、キャッチャーの橋本から大きな声があがった。ラスト!!ボールバック!




