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6月29日 抽選予想

 俺たちは、練習が終わり部室に戻っていた。

 

 橘 「お前、明日の抽選頼むぞ」

 川中「任せろ」


 明日の川中の抽選には、聖徳高校野球部の全てがかかっていた。強豪校に当たろうものなら、その時点で夏が終わったも当然だ。


 橋本「絶対、変なところ引きそうやなの」

 八幡「強いところだけは、やめてくれ」

 

 そらそうだよな。強いところだけは、やめてほしいよな。八幡の意見に共感してしまう。


 健太郎「強いところな、、、、」

 俺  「道和、白峰、純新あたりか?」

 健太郎「そうやな。あそこらへんは、優勝狙ってるからな」


 毎年、全国狙うような高校は、レベルが数段上だ。


 俺  「川中とか引きそうやな」

 健太郎「でも、逆にやれたら運がいいかもな」

 俺  「そういう発想もあるんか」

 

 健太郎言うように、やれれば思い出になるかもしれないけど、それで終わってしまうのもな。


 佐伯「淮南ともう一回は?」

 橘 「いやー、湯浅投げてこられたら打てなさそうや」


 淮南かぁ。つい先日、試合をしたばっかりだ。


 佐伯「たしかにな。八幡に任せるしかないな」

 八幡「任せろ。アイツらかもやから」


 たしかに、俺も嫌いではない。八幡同様、嫌いな投手ではなかった。


 橘 「いいねぇ。海美とかは?」

 橋本「あれは、無理やろ。絶対打てへん」


 海美かぁ。あそこは、春風がおるから難しい。それこそ、道和や白峰とかと双璧するだろうな。


 佐伯「知ってる?あそこ、春風おらんらしいよ」

 橘 「どういうこと?」


 驚きだった。あんなに上手い奴が。


 佐伯「なんか、部活すら来てないらしくて」

 橘 「やめたんかな?」


 やめるにしても、そんなに遠くないから噂は出回るじゃないかと思う。


 橋本「あんな上手いのにやめる理由ある?」

 佐伯「まぁ、なんかあったんやろな」


 そうだ。なんかあったんだろう。


 橋本「でも、もう一回春風打ちたいけどな」

 佐伯「俺は、何回やっても打てる気はしないな」

 橘 「次は、一発勝負やからな」


 もしかしたら、その一回が俺たちにとってはチャンスかもしれないけど、できればやりたくないというのが本音だった。俺は、グローブをバックの中に入れ、帰る準備を始めた。部室の中には、ゆっくり着替える橘や橋本たちを筆頭に大きな笑い声が聞こえてくる。この光景が見られるのも、あと何日だろうか?

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