表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
18/80

6月3日 ボウリング

 

 宝来「侑大、遅いぞ」

 俺 「わりぃ、わりぃ」

 

 ジュースを買いに行っていた俺は、みんなと合流した。今日は、クラスの畠、井上、川田、永谷と一緒にボーリング場に来ていた。ここは、いつも俺たちが遊んでいる場所だった。


 井上「次のゲーム行く?」

 宝来「いや、ちょ休憩しよ」

 川田「サッカー部のくせして、体力ないやん」


 川田は、宝来のやる気のなさにツッコんでいた。


 宝来「うるせぇ」

 井上「ハハハハ。おもろいな」


 ペットボトルの蓋をとり、ジュースを飲んだ。


 永谷「宝来、今日練習ないん?」


 宝来と川田の話に永谷は入っていった。


 宝来「あったよ」


 ボソリと答えた。


 永谷「なんで、ここおんねん」

 井上「ハハハハ。ほんまそれ」


 永谷と井上は、大笑いをしていた。


 宝来「練習行ってもしゃーないから。なぁ、山里?」


 俺に同意を求めてきた。

 

 俺 「そりゃあ、そう」

 宝来「大体、だりぃんだよね、アイツら」


 宝来が指しているのは、サッカー部のようだった。


 井上「誰がめんどいん?」

 宝来「中沢とか唐沢とかね」

 井上「へぇー。沢田じゃないんだ」


 たしかに、宝来の返答は意外だった。


 宝来「中学校一緒だしな。よくも思わねぇけど、嫌だとも思わねぇよ」


 今、思えば、宝来と沢田は中学校から一緒だ。


 井上「意外だよな?」


 同意を求められた俺は、不意に頷いてしまった。


 井上「それこそ、野球部は、練習ねぇの?」

 俺 「ないよ。もう、あんな謹慎とかだるいからな」


 あんなしょーもないことで、夏大会をぼうにふれなかった。


 宝来「でも、練習サボれていいじゃん」


 宝来らしい返答だ。


 井上「いやいや、宝来。こう見えて、山里と永谷は真面目やから」


 たしかに、俺たちはヤンチャそうに見えてヤンチャではない。


 宝来「そう?山里はそうやとしても、永谷は絶対真面目じゃない」

 永谷「はぁ、ふざけんなよ。バカ」


 永谷は、反論し出した。


 宝来「絶対真面目ちゃうやろ。ベンチ要員やろ」

 永谷「ちがうわ。なぁ、侑大?」

 俺 「いや、こいつは真面目ちゃう。ベンチ要員やし」


 すると、永谷が俺の首をしめてきた。久しぶりに、俺たちは集まっていただけに、とても楽しい時間が流れていた。だが、どこか焦りもあった。こんな気持ちは、野球ができるのが、今だけだからもしれない。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ