6月3日 ボウリング
宝来「侑大、遅いぞ」
俺 「わりぃ、わりぃ」
ジュースを買いに行っていた俺は、みんなと合流した。今日は、クラスの畠、井上、川田、永谷と一緒にボーリング場に来ていた。ここは、いつも俺たちが遊んでいる場所だった。
井上「次のゲーム行く?」
宝来「いや、ちょ休憩しよ」
川田「サッカー部のくせして、体力ないやん」
川田は、宝来のやる気のなさにツッコんでいた。
宝来「うるせぇ」
井上「ハハハハ。おもろいな」
ペットボトルの蓋をとり、ジュースを飲んだ。
永谷「宝来、今日練習ないん?」
宝来と川田の話に永谷は入っていった。
宝来「あったよ」
ボソリと答えた。
永谷「なんで、ここおんねん」
井上「ハハハハ。ほんまそれ」
永谷と井上は、大笑いをしていた。
宝来「練習行ってもしゃーないから。なぁ、山里?」
俺に同意を求めてきた。
俺 「そりゃあ、そう」
宝来「大体、だりぃんだよね、アイツら」
宝来が指しているのは、サッカー部のようだった。
井上「誰がめんどいん?」
宝来「中沢とか唐沢とかね」
井上「へぇー。沢田じゃないんだ」
たしかに、宝来の返答は意外だった。
宝来「中学校一緒だしな。よくも思わねぇけど、嫌だとも思わねぇよ」
今、思えば、宝来と沢田は中学校から一緒だ。
井上「意外だよな?」
同意を求められた俺は、不意に頷いてしまった。
井上「それこそ、野球部は、練習ねぇの?」
俺 「ないよ。もう、あんな謹慎とかだるいからな」
あんなしょーもないことで、夏大会をぼうにふれなかった。
宝来「でも、練習サボれていいじゃん」
宝来らしい返答だ。
井上「いやいや、宝来。こう見えて、山里と永谷は真面目やから」
たしかに、俺たちはヤンチャそうに見えてヤンチャではない。
宝来「そう?山里はそうやとしても、永谷は絶対真面目じゃない」
永谷「はぁ、ふざけんなよ。バカ」
永谷は、反論し出した。
宝来「絶対真面目ちゃうやろ。ベンチ要員やろ」
永谷「ちがうわ。なぁ、侑大?」
俺 「いや、こいつは真面目ちゃう。ベンチ要員やし」
すると、永谷が俺の首をしめてきた。久しぶりに、俺たちは集まっていただけに、とても楽しい時間が流れていた。だが、どこか焦りもあった。こんな気持ちは、野球ができるのが、今だけだからもしれない。




