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6月2日 ポジション

 俺は、外野から、第二組目となるバッティング練習を見ていた。二組目のこの組は、佐伯と八幡が強烈な打球を外野まで飛ばしていた。俺は、次の第三組で健太郎や田畑と一緒に打つことになっていた。

 まずは、目標の"聖淮戦"。聖淮戦は、6月19日。スタメンで試合に出るには、残りの4試合で結果を出すしかなかった。4試合と言っても、試合に出れるのは2試合だろう。どんな形でもいいから結果がほしい。6月5日に修学館高校、そして、6月15日は、取手西高校。どちらも強豪校ではないので、打つチャンスはある。

 聖徳高校の外野陣は、熾烈なポジション争いをしていた。レフト、センター、ライトの3枠の中で、ライトは、おそらく安田が守るだろう。となると、レフトとセンターの2枠を永谷、早川、山田、小川、優聖、そして俺で争うことになっていた。俺の最大のライバルになるのは、小川と優聖だろう。これまで、内野とピッチャーをしていた優聖がここにきて、外野にも挑戦してきたから厄介だ。

 横から、小柄で小さな男が走ってきた。あの走り方は、アイツしかない。走ってきたのは、永谷満だった。


 永谷「おぃー」

 俺 「おつかれ、遅かったな」


 永谷は、俺の近くに来て、構えた。


 永谷「補習受けてた」

 俺 「そっから、練習はキツイな」


 バッティング練習の守備は、ボールが飛んでこなきゃ暇な時間だ。


 永谷「ホンマ、それな」

 俺 「何人くらい受けてた?」


 俺と永谷は、同じクラスだから、クラスのみんながどんな状況か気になっていた。


 永谷「この前、出席してなかったやつ中心かな」

 俺 「そうなんや」


 金属音が鳴ると、ボールは永谷の近くに転がってきた。ボールを捕った永谷は、俺の方にボールを投げてきた。


 永谷「侑大、今日いつ打つの?」

 俺 「次の組みで」

 永谷「そうなんや。あと何組ある?」

 俺 「あと、2組かな」


 永谷は、どこのバッティングの組に入るか迷っていた。


 永谷「次の組み混じっていいかな?」

 俺 「いいやろ、やろうぜ」


 永谷は、レフトに飛ぶ佐伯の打球を見つめていた。


 永谷「誰、投げるん?」

 俺 「たぶん、竹田と優聖は投げると思う」

 永谷「よっしゃ。入ろ」


 俺も、この二人は打ちたいと思っていた。バッティングゲージから佐伯が交代の合図を出した。俺と永谷は、走り出した。

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