5月29日 宝来海斗
今日は、朝から宝来と話をしていた。俺は、昼休みにグランド近くの階段にいた。飯を食った俺たちは、放課後の部活動について話が変わった。
宝来「あぁ、ダル」
俺 「何が?」
宝来「練習」
宝来は、階段に落ちた石を触りながら話した。
俺 「もうちょいやし、頑張れよ」
宝来「個人の練習やったらいいんやけど、全体の練習はめんどくさいねん」
宝来は、もともと集団行動が苦手。挙げ句の果て、キレてしまうことも多い。
俺 「誰が練習のメニュー決めてるの?」
俺は、足を伸ばした。
宝来「沢田、唐沢のどっちかちゃう?」
沢田と唐沢かぁ、、、。頭の中で二人を思い浮かべた。
俺 「お前、どっちがメニュー作ってるか知らんの?」
俺は、一段上に置いていたリュックをとった。
宝来「あぁ。興味ないし」
俺 「それで、よくサッカーできるな?」
宝来「まぁ、暇つぶしやしな」
暇つぶしでサッカーのレギュラーをとれるのだから、宝来はスゴイ。
俺 「サッカー部は、あんま仲良くないん?」
宝来「うーん、どうなんやろ?俺は、あんま絡まんからわからんなぁ」
サッカー部は、沢田派と唐沢派の二つに分かれている。沢田派には、辰巳や米田。唐沢派には、宮本、村田。そんな二人とは、対象的なのが、宝来や藤平だ。彼らは、一匹狼的な存在らしく、あまり練習にも出ないとか。
そういう意味では、野球部の方が楽なのかとな思った。確かに気に入らない奴もいるし合わない奴もいる。万引きした時や陵が引っ越した時も大変だった。ただ、問題が起きても、きまって最後は、目標に向かって一つになる野球部が大好きだった。
俺 「でも、今のメンバーでやれるのも最後だろ?」
宝来「あぁ。だからなんだけどな」
なんとなく、宝来が伝えたいことがわかったような気がしていた。グランドの方に向かって、小石を投げた。
俺 「誰がサッカー上手いん?」
宝来「そんなん、俺に決まってるやろ」
俺 「ハハハハ。すげぇ自信やな」
宝来は、再び小石を投げた。
宝来「あたりまえや」
俺 「ワントップなん?」
宝来「基本はな」
俺 「宝来からみて、上手いと思う奴おらんの?」
宝来「うーん。沢田はそこそこ上手いな」
めったに人を褒めない宝来が褒めた沢田は、本当に上手いんだろうと思った。




