7話 新たな
「なに、これ」
私は、自分の青くなった目をコンテナ越しにただ見つめていた
「ねぇ!次は?何するの!?早くしないとこっちから仕掛けちゃうよ」
そうしゃべりかけられたとき私の瞳は元に戻っていた
ニコニコとしながら明るい声で話しかけてくる、まるで誰かさんとそっくりだ
そう思いつつも、何が起こったのか私にもわからない、急いで体を確認する、、、別に何も起こってない。
周りをパッと見てみてもなにか力が加えられたような痕跡はない
なんだ?どういうことだ。
「それじゃいくよッ!」
混乱する私を差し置いて刀を振るってくる
まずい!集中しろ!今は能力なんていい、躱せ!
女の刀に全集中力を向けるその時女の動きが遅くなって見える
違う!女だけじゃない世界全体が遅くなって見える。
だけど今はそんなことに気を取られてる場合じゃない。
ゆっくりと振るわれる刃をすんでのとこで身をよじらせて躱していく
距離を置こうと後ろに飛びのいたときには、世界がいつもの速度に戻っていた。
確信した。これが私の能力だ。詳しいことは何一つわからないけど、私が早く動いているのか?それとも世界が遅くなっているのか?それとも何か別の何かか?何もわからない。だけど今を生き乗るためにはなんだって利用してやる!
「まるでさっきまでとは別人だね、、、それにさっきの私の質問について自分でもわかってなさそうだったし、もしかして今自分が能力者だって気づいた感じ?」
女がさっきまでの口調とは打って変わって冷静に問いかけてくる
「さぁ?ただ私はより優れてるなんて一度たりとも思ったことなんてないよ、むしろ他の人より劣ってるとも思ってたよ」
あいにく私を殺そうとしている異常者の質疑応答にまともに答えるほど私はお人好しじゃない
「あぁそう?別にいいよ!能力者なら私も本気出すってだけだし」
そういうと女の目が青くひかる
まぁ、そうだよね、こんな女の子が一人で銃持った男どもと刀一本で殺りあえるわけないか
「じゃぁ、私も見せちゃおっかな本気!」
言い返すように私もそういって見せた。実際は何も考えてないけど、威嚇程度になればいいかなって、、、
「見してよッ!全部!」
そうハッ八ッっと笑うとまた私に向かって突っ込んできた
同じことだこの能力の使い道がいまいちよくわからないけど刃物程度なら躱すのに十分だ!
集中だ!そうしてまた攻撃をかわそうとしたその時だった。私の位置よりも数センチ早く刃を振り落とした えっ!外した?そう思ったとき
ッッ!―――――
右肩に鋭い痛みが走った、急いで確認してみると
「腕が!」
肩から右腕がきれいに切り落とされていた。
嘘ッ!なんで?頭がパニックになりゆっくりと後ずさる、背中がコンテナに当たった時、もう一度右肩に鋭い痛みが走った。
「グウゥ!」
そこで違和感に気づく、切り落とされていたはずの肩がちゃんとくっついている。
「えっ!」
思わず驚嘆の声が漏れる。切り落とされていたはずの肩に刀が突き刺さっている
「驚いた?」
ふふふと笑いながら問いかけてくる
「これが私の能力だよ、いうなれば感覚麻痺かな」
「丁寧にどうも」
余裕しゃくしゃくと自分の能力を語りだしたのが気に入らない。敵の私に教えてどうすんの?それほどとるに足らないってこと?腹が立つ
「たいしたことないかもね」
そう言い放ち刀の刃を左手で強く握り押し返す
「へぇ、まぁそうだよね、、、ただの幻覚を見せてるだけだもんね」
女が次はどうしてやろうか言ったような表情を見せた
それはまずい、強がって見せたはいいがこの女に対抗する手段がまるで思いつかない
時間を稼ぐんだ。サリィかカイのどっちかが来るまで
「どうしてあなた見たいな子がこんなことしているの?」
必死に絞り出した時間を稼ぐ手段がこれだった、が割と最適解な気がしなくもない
「う~ん気になる?さっきまでこっちの質問にはぶっきらぼうだったのに」
にやぁと笑って私を見つめているが、この女の質問は意外と図星をついてきた。
こいつサリィみたいに適当な感じがするくせに割と私を観察していやがったな
「教えてくれないんだ、ならこれでお互い様!」
そう言って一気に刀を引き抜く、左手から血があふれ出てきたけど関係ない!
「クッソぉ!!」
目から大量の涙があふれ出てくるが構っていられない
「いいガッツしてるじゃん♪」
刃完全に肩から抜けた瞬間
「じゃぁ、今度こそさよならだよ!」
じゃーね♪と片手で手を振りながら刀を振りかぶった時が私にとって最大のチャンスだった。
一度体から離れてしまえば躱すという概念が存在する!躱せ!
世界が遅くなる手に取るように相手の動きがわかる。
体を必死によじりながら相手の様子を注視する、女の目が青くなっていることに気づくが、関係ない今の私は普通の人とは比べ物にならないほど集中されている。
幻覚なんか気にならない、手足がしっかりついていることを実感する。
ひらりと身をかわし能力がいったん途切れる、どっと疲れが押し寄せるがすぐに体勢を立て直し距離をとる。
「私の能力は克服しちゃったの?たった一回で?」
驚きを隠せない女はありえないといった顔している
「ざまぁみなよ、あなたは刀の才能はあるのにそんな能力を遊びに、ましてやいたぶりなんかに使うから
この私ですら殺しそこなうんだよ」
この馬鹿め!とつけ加えて中指を立てて見せる
「何それ、うざい、ありえない、面白くない、つまんない」
ぶつぶつと女がつぶやいている
「調子に乗るなよクソババァ!」
さっきまでとはまるで別人のような雰囲気を醸し出す
元々この子には違和感があった初めて会った時、私が能力者だと知ったと時、自分が能力を発揮するとき
そして今、まるで何個も人格があるみたいだ。
女が勢いよく切りかかってきたその時だった。
バリバリバリッッ!――――
あたりに電撃が走る!
「今度は何よ!」
次々と起こる事象に腹を立て怒鳴る
すると女もその場で私への突進をやめ、電撃に対する回避行動を必死にとる
「雷神ッッ!」
女も邪魔されたのが気に喰わないのか怒鳴る
「邪魔するな!!」
やっぱりそうだった
「雷神?」
女が怒鳴った方向に目線を向けるとコンテナの上に小柄な男が立ってた。いや男の子か?
小さめの慎重で顔はよく見えないが悪くない気がする、服装は大人っぽく黒のジーンズに長めの10ホールはあると思われるブーツ、黒のダウンジャケットをしっかり着こなしている
「その名で呼ぶな。中二病くさい、、、」
あきれ顔で女に向けてそう言い返した
「黙れッ!なんで邪魔をした!金にならないことはしない癖に、静かに女を探してればいいだろうが!」
女は以前熱いままだ。この女のキャラがわからない、、、
「たまたま通りがかっただけだ、それに探し物の最中に騒がしいのはごめんだからな。」
「もうお前の負けだ、いったん引けレイ」
レイ?この女の事か?それにこの二人は知り合いなの?
「ゔゔぅ!」
女が腹から唸ってる
「何度やってももうそいつには躱されるだけだぞ」
雷神に諭される、すると女がスゥーっと深呼吸をし、またニカッと笑った
「うんッ♪それもそうかもね、いっぱい遊べたからもう帰ろうかな、、、」
そう人差し指を顎においてくびをかしげる。
「じゃあね、おねぇさん♪また遊ぼう!でも雷神邪魔したのは許さないよ♪」
そういいながら私に背を向け手を振りながら帰ってった。
あの子は何だったの?最後まで分からなかった
カッカっと鉄の上で歩く声が聞こえそっちのほうに目線をやると雷神と呼ばれてた男の子?が去ろうとしていた。
「待って、あなたはいったい誰なの?」
聞こえるように叫ぶ
「いずれわかる」
そう私の質問に淡泊な回答をし右側を指さしこう続けた
「三つ奥の緑色のコンテナ」
「えっ?」
「探し物だろ!」
そう力強く少し苛立ちながら喋るとそのままコンテナから降りて消えた
「何だったの!ほんと!」
そう鬱憤を晴らすように吐いたあと、特に当てもないので雷神が指示したコンテナにあゆみを進めた




