4話 気楽に
私は食後の食器を片しながらカイに仕事を引き受けるか聞いていた
「で、どうするんです?」
カイはこちらに目もくれずに本を眺めている。表紙から察するに多分海外の小説かなんかだろう
「引き受けるんですか?」
カイが口を開く
「別に引き受けてもいいんじゃないか?」
マジで!グラブにケンカを売るつもりなの?
「えっ!いいんですか?」
「何がだ?」
「グラブを敵に回すようなことをして」
「別に大丈夫だろう、仕事の内容を聞く限り確かにグラブだが末端の小さな組織の少女を誘拐すればいいだけだろう」
カイが続ける
「そんな小さな組織一つ一つ細かく管理なんかしていないさ、それにそんな奴らの小さないざこざなんてグラブは相手にしないさ、面倒になるようなら手間をかけて解決するより、そいつらを切り捨てたほうが早いからね」
なるほど、さすがカイ、感心してしまう
サリィがやってきて口をはさむ
「なになにぃ~?グラブにケンカでも売るの?楽しみ♪」
はぁ、相変わらずだ
「売りませんよ、ちょっとグラブが関わってくるってだけです。」
サリィがしかめた面で
「えぇ~つまんないなぁ」
売るわけがない、全く戦闘狂は、まぁかわいいから許すけど、、、
こうして私たちはこのカナメさんからの依頼を受けることにしたのであった。
「着きましたよ」
モールドシティの一画スカラー地区は廃ビルや雑居ビル、つぶれそうなバーに古びた一軒家が立ち並ぶ。表は普通の夜の店が多い繁華街だが、裏の顔はもっぱら犯罪集団や裏社会の組織、半グレの不良どものたまり場だ。ほかの地区で普通に生活していたらそういうのに興味がない限りまずこの地区には用はないだろう。
その地区のとある場所赤レンガつくりの古めかしい倉庫のような建物、ここがどうやら今回の仕事場らしい
「ふわぁぁ...よく寝たぁ」
サリィが目を覚ます。
「ん、、、」
カイも釣られて目を覚ましたようだ。
「今何時だ?」
「えーと、22時です」
「10時か」
ちょうどいい時間だそうカイがつぶやいた。
何の事だろう?そう思ったとき
パァァン!
っと夜にしては騒がしい銃声が響く
続けざまに銃声が響き男どもの怒鳴り声が聞こえる
するとカイが車のスライドドアを引き開けながら
「サリィ行くぞ、目標の女は殺すなよ」
車から降りながらサリィがにっこり笑って返答する
「わかってるよ♪それ以外は?」
「好きにしていい」
「そう来なくっちゃ♪」
そういうとサリィは勢いよく飛び出して行った
「私たちも行こう」
はぁ、やっぱり私もかぁ
「わかりました」
私はそう言ってあの時の拳銃をダッシュボードから取り出し車を降りた
「う~ん」
勢いよく飛びだしたはいいけどどこに行こう
後ろを見てもリナとカイの姿はないしなぁ
ぼんやりとそんなことを考えていたら
目の前に二人の男が現れた
「なんだこの女さっきのやつの仲間か!?」
「わからねぇけどうちのもんじゃねぇ」
屈強そうなスキンヘッドの男にひょろそうなもじゃもじゃ男
「さっきの奴なんて知らないよ!」
そういいながら最近お気に入りのマチェットを両手に握りしめ間合いを詰める
こういう時はひょろいほうから殺るのがいいんだっけ?
そう思った矢先ひょろいほうが拳銃を取り出した
「うちのもんじゃないなら構わなねぇっ!」
パァンと大きな音が鳴る
「うるさいなぁ」
そう言って拳銃の射線から外れるように動き男の首を素早くかき切る
あぁ、そうだったこういうガタイのよくない奴はこういう武器に頼るからだってカイが言ってたっけ
いま仲間が死んだばっかだってのにかまわずスキンヘッドが
「クソがッッ!」
と短く叫びながら近くにあった鉄パイプを掴み殴り掛かってくる私は寸前でかわしすかさず腹に回し蹴りをくらわす。
男が「うっ」っと短く悲鳴を漏らしそのまま太ももにマチェットで切りつけその場の壁にもたれかかるよう倒れる
「なぜだッ!確かに鉄パイプで顔面を殴ったぞ!」
「なに変なこと言ってるの?私は元気ビンビンだよ」
そう言って私は笑って見せた。
そう、これが私の〔全く私と同じ分身を作り出せる能力〕だ。その日の服装、表情、手に触れている武器、はたまた寝不足の時にできる目の下のクマや敵の返り血、までとにかく能力を使用した時の私の状態と全く同じ分身をその場に出現させられ、ある程度簡単な指示を出せるが実態はないから何かを持ったり、喋らせたりはできないし何か刺激が加えられるとすぐ消えてしまう。
「ん~でも感触はないはずだから手ごたえは感じなかったでしょ?それより女の子の誘拐かなんかしてない?探してるんだけど」
「何言ってやがる、、、まさかてめぇ能力者か!」
「ご名答、まぁでもそんなことどうでもいいからさ教えてよ」
「知らねぇよ!女の子だぁ?うな奴いねぇ!このくされアマがぁ!」
「あっそ」
そう言って私はこの男の首を掻き切った
カイとリナはどこ行ったのかなぁ、まぁ、カイがいるし大丈夫でしょ
そう言って私は奥に進んだ




