3話 カフェで
よし!保険がかけられた
そう私は思っていた。
そして私も帰ろうと思い席を立とうとしたとき見慣れた顔がカフェに入ってきて私を見つけると正面の席に座った
「さっき出て行ったのは?」
そう私に質問してきたのは古い付き合いになる男レオだ
「カイのとこの新人ちゃんよ。」
そういいながらタバコに火をつけるとレオ嫌な顔をする。
「あなたもいい加減なれたら?私だけじゃないでしょ、タバコを吸うのは」
「そんなんじゃないタバコが苦手なんじゃない、嫌な思い出があるだけだよ」
ふぅん、と私はとくに興味がないようなそぶりをしていた
「それよりお前いろんな奴にグラブの件を持ち掛けてるそうじゃないか、いったいどういうつもりだ?」
「別にただ保険をかけているだけよ、多いほうがいいでしょ?そういうのは」
「新人にまで持ち掛けてか?」
鋭いなこいつ、さてどうやってごまかしたもんか
「別にあの子は、仕事を探していただけよだから情報屋として知ってることを教えてあげただけよ。」
間髪入れずにレオが答える
「違うな、あの新人を巻き込めば絶対カイとサりィもこの件に巻き込めるとそう思ったな」
やけに頭がさえてるなこいつ
「何?何かあったの?どうしてそんなに噛みつくの?あの天下の雷神様が」
レオ童顔で端正な顔立ちだがこっちの世界では雷神と呼ばれ知らないものはいないぐらいの大物だ、フリーランスで仕事受け持っては必ず遂行する。ただ実際に直接会って顔を知ってるものは少ないしこれがあの雷神だといってもまず誰も信じないだろう、いつもこうやって私やその他何人かに仕事の依頼が入ってはレオにそれを伝える、いわゆるクライアントとレオとの仲介人みたいなことをしている。ってほかの人には話してるけど私とこいつは同じ組織に拾われた幼馴染なんだけどね。
私に毒を吐かれてバツが悪そうにしてるレオが口を開いた
「別に嫌な事なんてなかったさ、ただちょっとの間ショッピングモールに車停めていただけなんだ買い物から帰ってくると右側の前が傷つき凹んでた、まぁその時はショックだったけど犯人なんて見つからないだろうしそのまま修理に出したよ」
ただそれだけだよ、と小さな声で続けていた。
ほわぁと煙を吹かしながらホントそれだけかなぁと疑っていたがまだ話の続きがあるみたいだ。
「なぁ、どうしてお前まで組織を抜けたんだ?どうして理由を聞かせてくれないんだ?俺ならともかくお前は能力だって戦闘向けじゃないんだし、フリーの情報屋なんかよりよっぽど安全だったじゃないか」
またその話か、正直イラっとする
私やレオが拾われた組織{クレスト}このモールドシティを実質支配する程なまでに勢力の強い{グラブ}と張るほどに大きい組織だ、いや大きかったというべきだろうか
「その話何回目?取り分が組織に持ってかれるのが嫌なだけよ。」
「確かにお前は守銭奴だ、だけどそんなことをするほど馬鹿じゃない」
「なら私よりも先に抜けたあなたは何なの?何様のつもり?」
「そういうわけじゃ━━━」
もういい!私はレオの言葉を遮った
「何回同じ話をすれば気が済むの?用件を言って、何か用事があるから来たんでしょ?」
ため息をついた後レオが店員のほうを顔を向けずに目線だけをちらちらとしている。
能力を使えということだろう。はぁ、やっと本題か、私は深呼吸をして能力を発動した。
私の目の色を確認するとしゃべり始めた。
「お前がいろんな人に勧めてるグラブの件だが、引き受けることにするよ、もちろんクライアントはお前になるけどな」
さっきまでのプライべーナとな話とはレオの雰囲気が打って変わっているさすが雷神といわれるまではある。プロだ。
「もちろんよ、あなたが引き受けてくれるならもう安心よ。報酬もちゃんとこなしてくれたら弾むわよ♪」
いい返事で気分が弾む、これならカイには悪いけどあんな新人やチンピラみたいなやつらに話してまで保険をかけなくてよかったな、そう思ってしまった。
レオがあぁ、と短く返事すると
「これで話は終わりだ。あぁそれとあの新人と話すときやほかのやつと話すときで態度が変わりすぎるのもどうにかしたほうがいいぞ」
そういうといつの間にか注文したらしいカフェラテを飲み干し私の分と自分の分の小銭を机に置いて
店を出て行った。
「余計なお世話よこっちは現場に出ない分初めの喋りでどうにかするしかないでしょ」
まったく一言余計な奴だ。
「さてと!」
お気に入りのトレンチコートを羽織り私は店を後にした。




