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ヒットマンズ  作者: ヤサシ


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28/28

28話 現実

ピンポーン


家のインターホンが急になった


誰だろう?こんな時間に

カイならカギを持っているはずだしインターホンなんて鳴らさない


「はーい!」

サリィが元気よく玄関に駆けて行った


「こんな時間に誰でしょうか?」

サリィだけでは来客者の対応はできないだろう

そう思い私も玄関に向かって歩き出す。まぁ、どうせ宅配か何かだろう


サリィが玄関を開けるとそこに立っていたのは意外な人物だった。

「アリスちゃん?」


「あれ?リナさん一人暮らしじゃなかったんですね」

アリスちゃんが真顔でそう言い放つ、まぁいいかと小声で言っていたようなそんな気もする


私は何か不穏な雰囲気ひしひしと感じてならなかった


サリィが私とアリスちゃんの顔を交互に見る

「あれ?おねぇさんとリナ知り合い?」


「は、はい、最近よく行くカフェのーーー


「そうだよ!私が働いているカフェによくリナさん、来てくれるんだ。」

私の言葉を遮り、サリィの問いにそう答える

「私はアリス、君は?もしかしてリナさんの妹さんとか?」


「違うよ!一緒に住んでるだけだよ、そんなに似てるかな?」

はっきりと否定しつつ私のことを横目で見てくる、悪意はないのだろうが

そこまで言われると傷つくなぁ

それよりも、アリスちゃんはなぜ訪ねてきたのだろう?

いや、まずどうして私の家を知っているのだろう?

尾行?なぜ?もしそうならまるで犯罪者みたいだ

何か不味い気がする、そんな気がする

私の心配とは裏腹に

「私の名前はサリィだよ!おねぇさん!よろしくね!」


「よろしくね!」

サリィの自己紹介にそう言い返し

アリスちゃんはサリィに手を伸ばしサリィはアリスちゃんの手を握った

二人の親睦は深まったようで何よりだ

あの嫌な感じが杞憂ならそれでいい


「ここではなんだし、とりあえずあがる?」

いつまでも玄関先では話もままならないだろう

これからゆっくり話を聞けばいい、そう思っていた時


「ありがとうございます」

アリスがそう言ったと同時にサリィの右腕がぼこぼこ膨れ始めた


へ?

サリィが呆気に取られる

私はとっさにサリィ抱えて後ろに倒れこむようにしてアリスから引きはがした


「くッ!」


二人でドサッと床に転がり間一髪を免れた

だが、まさか想像していた中で一番最悪なものが現実となってしまった

私が昨日、カフェで感じたアリスの違和感、本当にこの子が犯人だったなんて

一体どうしてあんな惨いことを?

またしても疑問が湧き出る、だがそんなことを悠長に考えていられる状況でもすでになかった


「くぅぅ...腕がぁぁ」

サリィが声にならないような、こもった悲鳴を上げていた


「サリィ!」

私はサリィを抱えて部屋の奥に退避する

「サリィ!大丈夫ですか!」


「まだ動くし、だいじょうぶぅぅ」

サリィは泣くのをこらえながらそう答える

いい子だ、だが腕の様子は()()()()

私は医者じゃないが、そんな私もそう思える

腕はまだ間一髪で機能しているようだが、初手の攻撃で皮膚がところどころ裂けて、

血がドロドロと出血している


「ちょっと騒がしいじゃない、一体だれが来たっていうのよ!」

玄関からの廊下を駆けて、リビングへの扉を開けるとそこには

不機嫌そうなミナミがソファから振り返っていた

だがそれもサリィの血で血だらけの私たちを見てすぐに不機嫌から焦りや緊張に代わっていった。


「なになに!どうしたの!包帯?消毒?何があれば」

すぐにミナミが駆け寄ってきてはテンパっている


「ミナミ!逃げますよ!今すぐ!」

確かに応急処置は必要だがここでゆっくりもしていられない

私はすぐに、戸棚の救急箱の中から包帯や消毒液を取り出し

すぐそばにあったショルダーバックに詰め込む

幸いにも私達の待ち伏せを警戒しているのか、アリスがすぐに詰め来るような気配はなかった

それもそうだ、さっきのミナミの声で中にはミナミというまたしても、

予想外の人物が一人いたことがアリスにはバレているだろうから

どこか安全な場所で処置を施すほかあるまい


「私の鉈も...」

サリィがつぶやくが

「もう持ってきたわ!」

ミナミがもうすでに用意していた。逃げる準備だというのに

なんで真っ先に鉈なんだ?

そんなことはどうでもいい、この状況からではベランダからの脱出しかない

カーテンやシーツでロープを作れなくもない、ただそれだけの時間をアリスが許してくれるかだが

ここは幸か不幸か三階だ、下の状況によっては飛び降りれるかもしれない

私はベランダの下を確認しに行こうとしたとき


サリィのスイッチが入ってしまった

「ぶち殺す、あのブロンドビッチ!!」

でもその腕では戦闘は厳しそうだ。

ましてや銃火器ではなく鉈での近接戦闘などままならないだろう


「サリィ!落ち着いてください!ここはいったん


「来いよ!」

私の呼びかけはよそに廊下につながる扉に向かって仁王立ちだ


その時扉が開きアリスがそこには立っていた。


「困ったなこんなに抵抗されたことないんだよね、まぁいいや試してみよう」

アリスが不敵に笑った


その瞬間サリィが飛び掛かった!


「らッッ!」











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