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23話 停滞

「はぁ...」

犯人さがしって言ってもいったいどうやって?

私たちはカナメさんが持ってきた依頼、連続一家惨殺事件の犯人の始末を請け負ったが

肝心のターゲットが不明だなんて、こんなのあんまりだ

どうやって犯人捜しを行えばいい?

私に人探しなんて特技はないし、ましてや探偵でも警察でもない

現場周辺の家に片っ端から呼び鈴を鳴らして聞き込みか?

そんなことをすればあっという間に噂になるのは目に見えてるし、

警察でさえ全く犯人への手掛かりがない中そんなことをすれば関係者か?と私も犯人候補間違いなしだ

この事件を終わらせようとしてるのにそんな扱いはごめんだ


目の前コーヒーをすすりタバコに火をつける

一応カイいわく、私達(仕事屋)向けにこういうのを専門(人探し)にやってる業者もいるにはいるらしい自分で言うのもなんだが本当にこういう裏稼業?みたいな、映画みたいな世界があると知ってしまうと

そういう連中もいるんだなぁと簡単に納得できてしまう。ともかく裏稼業の人間全員がド派手に現場で殺しあってるわけじゃないらしいということだ

現場をきれいにするクリーナーに、規制されている銃器を売る業者、自分に見合った能力に特化した仕事をしてるというわけだろう


ただ私達には今必要な業者に頼れるほどの金はない、だから自分たちで犯人捜しからしている

カナメさんにうまく使われている気がしてならないが、財政難の今文句を言っても仕方がない


「お待たせしました!新メニューのマウンテンパフェになります♪」


目の前に運ばれてきたのは私の目線ぐらいまではあるだろう巨大なパフェだ


「うわー!さすがに大きすぎじゃない?これ...」


「そうですかね?まぁ、でもこういう方がお店の良い宣伝になってくれるでしょ!」

他の店とは違うことをしなきゃと意気込む彼女はより一層健気で可愛く見える


「あぁ、そういえばこれアリスちゃんが考えたんだっけ?」


「はい、インパクト抜群ですよね!」

そういいながらアリスちゃんは目をキラキラさせている


「それより何かお考え事ですか?」


「え!いやぁ、わかる?」

意表を突かれてドキッとする、この子鋭いな


「わかりますよ、今日のリナさん、眉間にしわが寄ってましたもん」

前言を撤回しよう、この子が鋭いのではなく私がわかりやすかったらしい


「そんなに重要なことじゃないんだけどね、ほらぁ、その最近話題になっているニュースあるじゃん」


「あぁ、最近このあたりで起きている一家惨殺事件ですか...」

アリスちゃんが悲し気な顔をする、当たり前である、この事件は私でも初めは衝撃があったのだから

年頃の女の子には相当重い話題だろうし、おしゃれなカフェでする話題ではないのだ


「そ、そう、ここらも物騒になったよねぇ」

苦し紛れではあるが重い空気を換えようと一応頑張ろう

ここらの治安が最悪なのは今に始まったことではないけれど...


「ほんと、嫌になります」

とアリスちゃんは別に元からだろとは突っ込まずにいてくれた

話を合わせてくれたのだろう


「で、その事件何が気になることでもあるんですか?、まさか友達が被害にあわれたとか?」

この話から脱したかったが思いのほか食いついてくる、こんな話に華の大学生興味があるのか?

それとも私に考え事があるかどうか聞いてしまったからには最後まで付き合わねばという精神なのだろうか?


「そんなんじゃないよ!ただなんであんな事するのかなって?いやぁだって殺されている人たちは普通の人たちだよ」

重そうなマウンテンパフェをしり目にコーヒーに口をつける


「そんな家族全員殺すほど恨む何てことそうそうないだろうし、ましてやその一家殺して終わり!じゃなくてまたほかの家族、そしてまた別の家族なんて正気の沙汰とは思えないし」

少々口早にしゃべってしまったがアリスちゃんはちゃんと話を聞いた後顎に手を当てうーんと考えている様子だった、まさかこんな話題にちゃんと考えてくれるなんて、健気すぎる

ただ、犯人は能力者だ、となると私達と同じ同業者の線も無いとは言い切れない

となるとそいつの依頼者がただ単にその一家が邪魔だから消したというクソみたいな理由も出てくるわけだ、そして現場も特に触らずニュースになるように仕向け、俺らのじゃまするとこうなるぞという脅しに使うのだ


そして健気な子は口を開く

「やっぱり許せなかったんだと思います」


「え?どういうこと?」

突拍子過ぎてよくわからない


「えーと、だから自分には無い何かをその家族は持っていてそれを目の前で見せびらかされたみたいな?」

この子はちょっと抜けてるところがあるなとは思っていたが

こればっかりはよくわからないな


「自分には無い何かって?」


「例えばーーー


「すみませーん!」

他の客席から彼女を呼ぶ声が聞こえた


「はーい!」

彼女は元気よく答えると私に行きますねと短く言い行ってしまった


彼女の言いかけたことは気にはなったが、仕方がないだろうそう思い目の前のマウンテンパフェに挑む


「帰りましたよー」

私は家路につき今日の収穫をすでに帰宅している三人に共有した

収穫と言ってもただ事件現場を何件か回り家の周りなど一般人が入れる所までを怪しまれない程度に

見ただけなのでたいしたものではないが


「なによそれ、この変態に繋がる物は何もないじゃない!」

変態?犯人のことか?

ミナミからのごもっともな言葉に肩がすくむ


「しょ、しょうがないじゃないですか、人探しなんて初めてですし、それよりミナミとサリィは何か手掛かりはあるんですか?」

自然と言い訳と吹っ掛けの言葉が出てしまう、自分も大人げないとは思う


「ないよー」

サリィが軽く答える

というか朝と服装が変わってないように思える


「そっちも収穫ゼロですか、、、ちゃんと調査してんたんですよね?、服装が私が出かける前と変わらないように思えるんですけど」


「そうだよ!だって外出てないもん」

サリィが屈託のない笑顔で答える


「でも安心しなさい、一日中ニュース見てたから」

ミナミそう自信ありげに答える


そうかそもそもこの二人を当てにするのがおかしいのか

私は諦めカイに話を聞いた


「そこら辺に詳しそうな連中に金をせびられない程度にだが話を聞いてみた、気になる話が多少あったがたいした情報はなかった」


明日カイが気になることについて調べるといった様子で今日の収穫は特になしといった様子だった


この先が思いやられるが引き受けたからにはやるしかないのだ






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