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21話 雨

その日は雨が降っていた、激しいような誰かの悲しみを訴えるような

____


「えぇ、本日のニュースです。最近発生している連続一家惨殺事件においてまた新たな被害者が___」


「うわぁ、またですか、いったいこんな事なんでしてるんでしょうね?」


「こういう事件を起こす奴は決まって異常者だ、そんな奴の考えることなんてわからない」


「まぁ、そうですよね、まっとうな理由なんてなさそうだけど」

最近ちまたで有名な連続一家殺人事件、狙われているのはどれもなんら罪のない普通の幸せそうな家庭だ

小難しそうな本を読みながら、ラジオ代わりにニュースを聞いているカイに話題を振る


「やっぱこういうのもどっかの()()()()()()()連中が金でやとわれてるんですかね」

タバコをふかしながらそう言ってみた


「それはないな、ただの一般人殺すのにわざわざ金を払う奴がどこにいる?仮にいたとして一般人をそうまでして殺したい理由は?」

視線は本に向けたままなかなかの返答が返ってきた

別に軽い気持ちで会話をしたかっただけなのに

でも確かにそうだ、依頼するほどの事じゃないし、仮にそんな依頼が来たとして受けるだろうか?

一般人家庭を襲うだけで金がもらえるなんて、そんな依頼怪しすぎる


「確かに・・・じゃぁただの愉快犯ってことですか?」


「知らん、でも同業じゃない」

カイはどうでもよさげに返答してくる、本読んでいるのを邪魔されたくないのだろう


「寝るときの戸締りはより一層厳しくしなきゃですね」

どうせ自分事じゃないし私もこの会話がどうでもよくなってきた


「警察によりますと、事件の発生現場で不審者が目撃されており特徴は」

おっ!少し興味が出てきたぞ、特徴は???


ピッ!


「そろそろアレが始まるっ!ミナミ!始まるよ」


どこからか飛んできたサリィにチャンネルを変えられた


「ちょっと!サリィ!見てたんですけど」

クソぉただでさえどうでもいいニュースをどうでもいい会話しながら見てたんだ

少しくらいあのどうでもいい時間から収穫を得たかったのに、これじゃ時間を無為に消費しただけだ


「えぇ、じゃぁ言ってよ」

ふてくされた顔でサリィが答える


「いうも何も来た瞬間チャンネル変えてたじゃな___」

そこまで言いかけたところで勢いよく隣の部屋の扉が開く


「あぶな!OP見逃すところだったじゃない!」

ミナミがそういって入場し、テレビの目の前に陣取るサリィの隣に座って肘でつつく

「あんたねぇ、呼びなさいよ!ったく」

そしてサリィも言い返す

「呼んだよ!そっちが来なかっただけじゃん!」

全く、こっちはこっちで争い始めた


「はぁ」

小さくため息を吐いた

別にいいかどうせ関係のないことだ、自分の身に起こらなければ殺人事件も窃盗も大して変わらない


「サリィ、ミナミ、テレビから離れなさい、目が悪くなりますよ」

そう言って私はちょうど仕事が終わったらしい洗濯機にピーと呼ばれたので

騒がしくなったのを察して一足先に避難しているカイを横目に洗濯機へと向かった

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