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20話 共鳴

店のインターホンが鳴り反射的に振り返る

大柄な女と小柄の女、まさにでこぼこコンビのような二人柄が入店してきた。

小さいほうが何かコートを羽織った大きいほうを捲し立てながらずんずん歩いている

どうやらなにか小競り合いか言い合いか、はたまた小さいほうの機嫌がただ悪いだけなのか

大きいほうはおっとりとした口調でまったく気にしていないようだった

機嫌の悪い相手にその態度は火に油なのでは?

ハルさんは「少しお待ちを」そういうとその二人に体を向き直し対応をし始めた。


じろじろ見るわけにもいかないので視線をカウンターのショーケースに戻し陳列されている銃器を見直す

大体今の物はどれもある程度の距離をまっすぐ飛び、ある程度の装弾数にそこそこの耐久性があると思う。

壊れやすかったり、走りにくかったり、止まりにくい現行車を探す方が難しいように、今時の拳銃なんて

欠陥のある銃を見つけて買ってしまう事のほうがよっぽど無いんじゃないか?

そう安易に考えハルさんには悪いが適当に値段を抑えつつ見た目で選ぼうそう思った。


突然

「あぁぁ!あの時のチビ!」

サリィが叫ぶ

私もカイも驚き二人を見る

すると当の二人もこっちにバッ!と振り向き、少し驚いたそぶりを見せると間髪入れずに

応戦するようチビが

「あんときの四つ耳!それに喪服野郎も一緒じゃねぇか!なんでこんなところにいやがる」

喪服野郎?あぁカイの事か、確かに黒め服しか着ないもんな

この小さいのは知らないが、大きいは、、、あいつだあの変態野郎だ!


「おや、お知り合いでしたか?」

ハルさんがそう間に入る

「ここハードラックをひいきにしてくださっているお客様同士、、、まぁそう珍しいことではありませんね」

ふふっと口に手を当て笑っている

部外者はそれでいいかもしれないがこっちは殺されかけてんだ

「ですが、ここは()()()()ではございません、揉め事はご遠慮を」

そう続け、場を鎮める

あのデカブツがさっきからニタニタこっち見てんのが腹立たしいがこの場のクイーンが言うなら仕方ない

ここは彼女の王国なのだから


「あいつらもここをひいきにしてるって?この店もそろそろ考えどきだな」

チビはまだ腑に落ちていないらしい

「そうおっしゃらずに、仕留めきれなかったということはあの方達も腕が立つという事でしょう?」


「違うね、あのガキが子供だましのようなこすい真似しなきゃ終わってたね」


サリが反応する

「子供だましも見抜けない大人もいるんだねー」

はたから見てると、どちらも子供だ

殺す、そうぼそっとチビから聞こえたような気がしたが

「サリィ、やめろ」

カイが、沈黙を破り

「私たちの用件は伝えたとおりだ、こいつのを見繕ってくれ」

そう私を親指で指した

確かに私の用件は済んじゃいない


適当に済ませたかったがハルさんが目をキラキラさせて知識を並べてくる

他の人は興味をなくしカイは遠く離れたソファで一服し、サリィはまたチビと口論を繰り広げ、ミナミがレフリーかのように中間に立ち話を聞いている、、、いやあれは楽しんでいるな

別に私はガンマニアじゃない、程度のいいやつでいいのだ


「はぁ、なるほど、、、」

行間よくうなずいておく


「ところでどのようなものをお探しですか?」

ハルさんが聞く

はっきり言って聞くのが遅い、最初に聞けうんちくを並べる前に!


少々疲れていた私は視線も向けずに隣でカウンターに寄りかかるデカブツを指さし

「こいつにガツンと入れられるようなものが欲しいです」

とだけオーダーした


「ムフフ、、いいねぇ、かわいいねぇ」

そう嫌な笑みを浮かべてカウンターを滑りながら寄ってくる

「来るなよ、今、私はお前の相手をするのは勘弁なんだ」

近くの灰皿を私の前に持ってきて一本取りだした

「わたしを引っ張り出したのは君だよねぇ、でもタイプじゃないなぁ」

ん?タイプ?何の話をしてるんだ、私の頭が回ってないだけか?

無視しよう


「それで何かあるんですか?程度の良いやつ」

ハルさんに視線を戻す

「さすがにアイシード様にまで一撃で効果をもたらすものは、、、」

少し考え話を続ける

「程度の良いものでは厳しいですね、それこそ撃つたびに腕がしびれるような物しか」

いわゆる大口径のものしかないらしい、さすがにそんなの振り回したくはないな

射撃専門ならまだしも、私はガンマンでは無い


「アイシード?何ですかそれ?」

ふとさっきの会話の単語が気になる


「わたしの事だよ~」

デカブツが私の前の灰皿を指でひっかけ自分の前までシュッと滑ら煙草に火をつける

「奇妙な名前しやがって」

そう言い放ち灰皿を奪還し灰を落とす

「かわいい名前でしょ」


「あぁぴったりだよ」

そう呆れながら言いハルさんとの商談に戻り

結局あれこれ言われて無難な拳銃を進められそれを購入した

無難とはいえストライカー方式のダブルアクションだとかなんとか、昨今主流になりつつあるらしい

別に不満はないが無難なものを買わすんだったらあの講釈は必要だったのか?

と疑問にも思う、まぁこれだけの知識のある人だ、多分大丈夫なのだろうと言う安心感はあるが


「こちらは私が処分致しましょうか?」

私が使っていた拳銃の事だ

「はい!お願いします」

別に銃器に思い入れもクソもない

新しいものがあるならそれでいい

そんな会話をしていると

「おい、なんだそれ、酷いもんだな」

いつの間にか隣まで来ていたチビに水を差される

はぁ、もう帰らせてほしい

「もうそれはわかりましたよ、だから新しいの買った、それで終わりでしょう?」


「違うね、お前はそいつもまた同じ運命たどらせる」

私の目を見てはっきりとそう言った


「メイちゃん銃大好きだもんね~」

アイシードがにこにこして言う


「好きとかじゃねぇ、命を預けるもんだぞ、なんでそう粗末にできるのかがわからねぇ、必要な時使えなかったらどうするんだ?相手に待ってもらうのか?」

説教かと思いうんざりもしたが、言っている事もまた事実だった。

確かにアイシードとの戦闘の時もその前も弾が出てくれなんてあの銃に思ったことはなかった

撃てて()()だと思ったからだ、それがこの道具(銃器)の役割だからだ

何も言い返せなかった。

そんな私をみてこのメイとか言う女は

「別に自分では最低限のメンテナンスだけでもいいんだ、あとはここに持ってくればいい、車やバイクと一緒だ、自分ではタイヤに空気入れたり、ガソリン入れたり、洗車したり、最低限の点検さえしてれば動くんだ、それ以外はやれる奴は自分でやるし、できない奴は、ショップに持っていくそれだけだろ」

まぁ、過信して自分でやって大火傷する奴もいるけどなと小さく続けた。

案外メイは悪い人ではないのかもしれない


「メイ様の言う通りです。ショップの当たりはずれもあるでしょう、ですが私、ハードラックなら安心してお預けていただいても大丈夫かと自負しております」

ハルさんにも言われたらもう私もここの常連になるしかないだろう、他に馴染みと言えるようなガンショップなんてどうせ無いし


「はい、これからよろしくお願いします」

そう私は店主のハルさんに言い、ハルさんは今後ともよろしくお願いしますとお辞儀した


「終わったか?」

タイミングよくカイが来た

「はい、お待たせしました、ちょうど今終わりました」

察知したかのようにサリィとミナミもこちらに走ってきた

「帰るの?」

二人はこの空間を十分満喫したようだった

「もう帰りますよ」

私はそういいメイさんにもお礼を言った

「おうよ、、」

少し照れくさそうにそう言ってくれた

なかなか可愛らしいじゃないか

「かわいいでしょ?」

そうアイシードに小声で言われる

「うるさい」

そう言い返すとアイシードはニヒルに笑った

「バイバイ!アイちゃんメイちゃん!」

とサリィとミナミが二人に手を振った

ずいぶんと打ち解けている上にいつの間にかアイシードとも仲良くなっているらしい

あいつに手を出させないようにしなくては


「またのご来店をお待ちしております」

そのハルさんの言葉とともに私達は店を後にし

帰路についた






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