19話 区切り
「リナ、出かけるぞ」
カイは私にそういった後、下着姿でミナミと一緒に寝ころび絵本を読んでいるサリィにも声をかけた
いったいどこに行くのだろうかそう思いながら私は身支度を始めた
「また私は留守番なの!」
ミナミが悪態をついているのが聞こえる
「またも何もない、カナメから連絡がない限りお前はずっと留守番だ」
またカイは何の配慮もなく、子供の扱いがなってないなぁ
「それにずっと家で監禁ってわけでもないだろう、リナと買い物やサリィと散歩にも行っている」
カイは淡泊だ、ミナミはそういうことを言っているわけじゃないと思うんだけどなぁ
身支度がすみ、私はリビングに向かった
「そういう意味じゃない!」
ほら見ろ、ミナミはそう怒鳴った
「ただ外に出たいだけの窓を眺めている犬にでも私が見えてるの!」
いまいちな返しだな、こうやって人の怒りに任せて口早にしゃべっているのを冷静に評価するのは面白い
「別に仕事でもないんでしょ!連れっててよ」
ミナミがせがむ、そろそろ私も助け船を出してあげよう
「カイ、いいんじゃないですか?ミナミのいう通り別に仕事じゃないんですから」
そう私が言うとちょうど着替えを済ませたサリィも参戦した
「仕事じゃないんだったらサリィはミナミが一緒でもいいと思う!」
そう一通りそれぞれが意見を言い終わった後カイは少し悩み
「わかった、確かに仕事ではないからな」
そういい玄関に向かった。
ところで本当にどこに行くのだろうか?私はもう一度初めの疑問にたどり着いていた。
カイに言われるがまま車を進ませて大通りの一角にあるコインパーキングに車を停める
カイがこんなところに用があるなんて
相変わらずたくさんの人の往来でにぎわっている、露店に何を売っているかよくわからない雑貨屋や屋台
よくも悪くも大衆通りだ。
だがサリィはともかくミナミは大はしゃぎだ、そりゃメーンジョイで生きてきた人からしたら物珍しくてたまらないだろう。
「みて!サリィ!あの屋台初めて見る食べ物だわ!値段も安いわ!」
「あの屋台はねぇ・・・」
サリィがスラスラと説明をするそういえばサリィはここらへんで育ったと言っていた気がする
私は興味津々ミナミと楽しそうに、そして自慢げに説明するサリィ、二人に屋台や露店の商品をせがまれつつうまくカイの進む方向に誘導した、するとカイが路地に入っていき
「ここだ」
雑居ビルの半地下に続いている階段があった、どうやらここが目的地のようだ。
助かった、あのまま通りを進んでいれば私の金はあの二人に全部搾り取られていたかもしれない
階段を下りていくといかにも分厚そうな金属の扉があった。カイは扉の横のインターホンのような
スイッチを押す、すると扉が開き私たちはその中に入っていった
「いらっしゃいませ、カイ様サリィ様」
カウンターの中から出迎えたのはバーテンダーのような服を着た女性の店員
周りを見渡すと銃器やナタなどの近接武器、ガラス張りのカウンターには弾薬や高そうな拳銃などがきれいに陳列されていた、どうやらここはガンショップらしい。
「そちらの方は、前におっしゃっていた新人さんですか?かわいらしいお嬢さんまで」
店員が微笑み話を続ける
「あぁ」
カイが短く答え
「そっちの子供は違う、連れて行けとうるさかったんだ」
と続けた
「こんなかわいいお嬢さんを家に置き去りにする方がおかしいわよ!」
ミナミがむすっとし言い返す
「いいじゃないですか、可愛いお嬢さんは歓迎ですよ」
この店員さんは扱いが上手いな
「今回はどのようなご用件でしょうか?」
「武器のメンテナンスを頼みたい、それから調整を、前回の仕事場は埃っぽかったんだ、さすがに家じゃ軽くばらして清掃するくらいしかできなかった、サリィのも一緒に頼む」
「かしこまりました。」
淡々と仕事の話が進んでいる
この場所はカイとサリィの馴染みの店、自分の仕事道具を簡単に預けているということはそういうことなのだろう
「それとこいつの武器を見てやってほしい」
そうカイは煙草を片手に私を親指で指さした
「承知いたしました、では失礼して」
店員さんは私に手を伸ばした
「お、お願いします」
突然のだったので少しきょどったがホルスターから銃を抜き店員に渡す
じっくりと私の銃を見て、、、いや、ほんの少しだけ見た後ゴトッ!っとカウンターに銃を置いた
なんか態度おかしくね?そう不快感を覚えたところで店員が口を開いた
「すみませんがお名前をお伺いしても?」
口調だけはまだ丁寧だ
「はい、リナです」
そう応答した
「私はここハードラックのオーナーをしております。ハルと申します」
店員は答えた
「失礼ですがこの拳銃は?」
「私が昔に護身用に購入したものです」
正直銃器の事はよくわからないカイに撃ち方や弾込めの仕方を簡単に教わったくらいだ
分解も教わったがあんまり覚えていない、おそらく分解したらもとに戻せなくなると思う、多分
「やはりそうですよね、これはかなり昔、前々大戦の我が国正規軍が使っていたものです」
そう店員が言う
確かにこれを買った小汚いガンショップの店員もそんなようなことを言っていた気がする、そんでもって
塹壕のような場所でも動くだとか、正規軍が使っていたから大丈夫だのそんなことを言われて友達と一緒に
買ったような
「古いだとかそういうのは別に気になさる必要はありません、傑作と言われる火器類はいまだに現役の物もございます。リナ様のこの拳銃はろくに手入れがされておりません、はっきり言ってまともの動作しているのはこの武器がたまたま傑作の一つだったにすぎません」
まったくもってハルさんのいう通りだと思う、そういえばよく動いてたな、この世界に足を踏み入れることになるまでずっとタンスの中だったのに
「おとなしく新調なさること強くお勧めいたします」
ハルさんは少々呆れながらそう言った。武器の知識がある人からしたら私のこの拳銃はかなりお粗末な状態らしい、別に思い入れもないので素直に承諾した
「ご懸命な判断です。ご安心ください、ここハードラックでは品質はもちろん、幅広い商品を取り揃えていますので」
鼻高々にハルさんは言う、確かに店内にある商品はきれいだ、それに店自体も外見はわかりにくいが内装は高級感漂う赤に天井にはシャンデリア、セキリュティもばっちりそうな重厚な扉、どれをとってもそこらの
ガラス張りの店内丸見えな安そうなガンショップとは違う
そんななか店内にインターホンのチャイムが鳴った




