10話 結局
「そこで提案がある!」
大きな声で会話を区切る、おそらくこの女の子に、話をさえぎらせないためだろう。
「君、この三人と一緒に暮らせ」
「へ、、、」
思わず声が漏れる、当たり前ださっきまでの会話や前後の出来事と脈絡がなさすぎる
カイのほうに目をやるとカイも驚いたような表情をしていた
「どういうことだ?」
カイが問う
煙を吐きながらカナメさんが答える
「いや~それがね、さっきも言った通り匿名だって言ったでしょ、
わからないのよ、連絡先も何も」
「おい、報酬はどうなるただ働きの上にこもりなんて御免だぞ」
「大丈夫!報酬はちゃんともらってるから、先払いでふりこまれてきたのよ」
それに似たようなお年頃の子が一人いるでしょ?と続けながら
煙草を窓の外に投げ捨てて 、新しい煙草に火をつけた
それを見た私は我慢できなくなって煙草を取り出し火をつける
「暮らすって言ったっていつまで面倒を見るつもりだ、こっちには仕事がある
四六時中面倒を見るなんて無理だ」
カイがまっとうなことをいう、そりゃそうだ
カナメさんが顎に手を当て
「そうね、、、とりあえず依頼主から連絡がつくまでかしら
私の家じゃ、商業柄他人に見られたらまずいものだらけだしね」
「ならなぜここを集合地点に選んだ?別にここに来なくともそのまま自宅に保護でよかったじゃないか」
こうなるなら引き受けなかったという口ぶりだ
「そりゃいろんな人たちに依頼したからね、ろくでもない連中ならどうしようかと
一目見ておく必要があるじゃない?」
これでも信用してるのよ、と煙を吐き言い続けた
「はぁ、金はもらえるんだろうな?」
カイは観念したらしい、、、私とサリィとも同居してるの忘れないでほしい、まぁ、家主はカイなんだけど、カイからしたら居候が増えるくらいにしか思っていないのだろうか?
「もちろん、今回の報酬に多少色付けるわ」
ニコニコしながらカナメさんが答える、色って、養育費的な感じでずっともらえるわけじゃないのかよ
カイが深いため息をついた
「決まりだ」
短くそういうと
「帰るぞ」
私たちに声をかけた
サリィやっと終わったかと言わんばかりに
はぁい! と元気よく立ち上がった、可愛いなとそう思った時
少女が叫ぶ
「ちょっと待ってよ!何それいきなりこんな街に連れてこられて知らない人達と暮らせってどういうこと!!」
地団太を踏む、無理もないだろう、だけどしょうがないんだ私がそうであったように、自分が望んだにしろ望まなかったにしろこっちの世界にかかわったからには流れに身を任せるしかないんだよ
「私を元居た場所に返してよ!」
少女がうつむくがカナメさんは容赦しない
「なら一人で帰ればいいんじゃない?自分がどこから来たのか分かってるじゃない」
煙草を吹かす
「そんな」
少女が弱くつぶやく、あの語気が強かった娘がだ、相当弱ってるらしい
少し間を置いた後、はっ!として少女が口を開いた
「なら、ここに連れてこられたみたいにまた襲われたらどうするの?」
私たちに護衛でもさせるいい理由のよういいのけたがカイが
「だから私たちと暮らせカナメは言ってるんだ、第一クライアントがわからないメーンジョイのどこに連れて行けばいいのかわからないし、記憶もあいまいなんだろう?」
「それは、、、行ってみれば何かを思い出すかも」
「えっ!それだけで」
つい驚いて口を開く
メーンジョイまでかなりの距離がある上に首都だ。観光地や大型ショッピングモールがある以上ほかの都市からの入場は認められているが、首都である重要性からそれまでに検問や身分、犯罪歴など諸々のチェックなどがある、普通の人間は問題ないだろうが、私達のような人間からすれば行ってみるだけでもかなり厳しい
カナメさんも同じことを思ったようで
「それだけの根拠じゃ厳しいね」
そうたしなめた
肩を落とした少女に声をかける
「別にずっとってわけじゃないよ、あなたの安全がわかるまでだよ、
それにあなたの依頼人から何かあればお姉さんから連絡来るでしょ?」
カナメさんに目をやると、その通り!と言わんばかりに拳に親指を立ててこっちに向ける
少女は少しの間考えた後堪忍したような表情をした、よかった説得できたと思ったらすぐに表情が変わった
「わかったわ、、ただそれしか選択肢がないようだからあなた達についていくだけだから!
何語ってんのよ!キモイッッ!」
うわっ!なんだこいつその見た目じゃなかったら撃ち殺してるぞ
「別に語ったわけじゃ―――――――――――
グイッと体が後ろに引き寄せられる
サリィが裾を思い切り引っ張っていた
「一件落着でしょーー早く帰ろうよ!」
早く早くと駄々こねるサリィ
もう帰りたい感を出しているカイ
事が片付いたほっとしているカナメさん
なんだかんだ自分が保護されるといういい立ち位置を得た暴言少女に
結局振り回された挙句暴言を吐かれ、裾をグイグイ引っ張られる私これからどうなるんだろうか?
そういう不安に駆られ車を出した




