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126話 大きなダンジョンでした!?

「まずい! クラフト──ゲート!」


 俺は開いた穴に、紫鉄の扉を作った。


 溜息を吐くと、ユミルが首を傾げる。


「ど、どうしたのじゃ、ヨシュア?」

「今のはダンジョンだ。昔の魔物の住処だよ。前に、イリアと入った場所と同じだ」


 そう話すと、いつの間にか刀を抜いていたイリアが頷く。


「音の正体はここでしたか。あの歩く白骨も変な音の正体だったのかもしれませんね」

「となると、さっきの骨は……」


 ユミルの言葉に俺は首を横に振る。


「いや、さっきの白骨は恐らく、昔、冒険者だった者たちだろう。このダンジョンに入り、倒されてしまったんだ」


 ダンジョンで現れるアンデッドは倒すと、消滅する。

 だから骨は残らない。


「地上だと……この先はフェンデルのほうになるのか」


 俺は石切り場のダンジョンを思い出す。

 ここからあそこまでは歩きで一時間ほど離れているが、まさか繋がっていたりはしないよな……


「いずれにせよ、この階層は気を付けて掘ったほうがいいな。ここには鍵をつけて、更に頑丈にしておこう」

「ふむ? そやつらは、倒してはいかんのか?」


 ユミルは不思議そうな顔で訊ねてきた。


「いや、スケルトンぐらいなら簡単に倒せると思うが……ゴーレムは結構強力だ。ユミルたちも、フェンデルのゴーレムは見ているだろう? あいつらは中の人形石を破壊しないと、永遠に復活する」

「なるほど。ならば、対策を練ってみるかのう。下に敵がいると言うのは、どうにも落ち着かぬでな」

「それはそうだろうな。ただし、スケルトンもトラップを破壊しない限りは、永遠に召喚される。ダンジョン自体を破壊していく必要もある」

「ふむふむ。なら、さっそくあれが」

「あれか……」


 ユミルが言っているのは爆弾のことだ。


 あれがあれば、確かにゴーレムも人形石ごと木っ端みじんにできそうだ。


 だが、


「坑道にひびが入って、それがこのドワーフの住処全体に影響したら大変だ。少し、威力を落とすなりしないと。だがこの際だ、ちょっとダンジョンをなんとかしてみるか。石切り場のほうもずっと放ってはおけない」


 イリアが訊ねる。 


「つまり、ダンジョンを占領するというわけですか?」

「ああ。石切り場とここから、複数のチームを組んで、突入する。メッテや皆にも手伝ってもらうんだ」


 亜人たちの尖った力を駆使すれば、ダンジョンは恐ろしくない。


 ユミルたちを安心させるためにも、石切り場を再び使えるようにするためにも、ダンジョンに挑戦しよう。


 その日はとりあえず、ドワーフの居住区ユミルディアに宿泊することにした。

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