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最強魔王の異世界放浪記  作者: 塩砂糖
第1章《異世界転移編》
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プロローグ

初投稿です。

物語を書くのは初めてですので、拙い部分も多々あるかと思いますが、生暖かい目で見守って頂ければと思います。

「こんにちは。こちらの声が聞こえていますか?」


 気が付いた時には、俺はそこにいた。

 何処までも真っ白で、果てが見えない空間。でも少し暖かくて、不思議と恐怖は感じなかった。

 そこには俺以外に、光が人の形を模った『なにか』が2つあった。

 人のシルエットの黒い部分を白くしたらこうなるんじゃないかと、そんな事を考えていると、再び人型の光から声が聞こえてきた。


「あれ? 聞こえていませんか?」

「……上手く行かなかったのか?」

「これほど強力だと、やはり難しいのかしら?」


 なにやら話しているが、聞こえているので返事をした方が良さそうだ。


「あ、いえ、聞こえています」

「あっ、よかったぁ。無事成功ですね」

「......聞こえていたならさっさと返事をしろ」

「......すいません」


 すぐ返事をしなかった俺も悪いが、その言い方は少し腹が立つ。

 光は人の形をしているだけで、性別は分からないが、声を聞いたところ、男性と女性がいるようだ。


 言わなくても分かると思うが、口の悪い方が男だ。


「こら、無理矢理連れてきた上、その口の利き方は何ですか? 私たちはこの方々に頼るしかないんですよ?」

「......ふん、分かっている」


 既に俺の中で、女性=いい人、男=嫌な奴、という式が出来上がってしまっているが、一先ずそれは置いておき、疑問に思っていたことを尋ねる。


「ここは何処ですか?」

「......それはお前が知る必要の――」

「そうですね。……ざる……達の……所。とでもいいましょうか」

「......何故答える」

「何か不都合ですか? どうせ忘れてしまうんです。教えても問題はないでしょう?」

「......それはそうだが」


 ......もしかしたら、男の方もそれなりに苦労しているのかもしれない。

  だからといって、俺の中の印象が変わるわけではないが。


「つまり、……?」

「はい、そう捉えて頂いて結構ですよ」

「......おい、ここに留め続けるのにも限界がある。無駄話をしている暇はない」


 どうやら此処には長い間留まることは出来ないらしい。


「そうですね。では手短にいきましょう」


 コホンと咳払いをしてから、女性が話し始める。


「貴方にはこれから……に行って頂きます。そこで……を……欲しいのです」

「......我々では出来ないことだ。失敗すれば……になる」


 話が壮大すぎて理解出来ないが、拒絶する気は、何故か起きなかった。


(......でもさっき、忘れるとか言ってなかったか?)


「貴方の疑問はもっともです。ですが、無意味と分かっていても、しなければならない、伝えなければならない。それほど切羽詰っているのです」


 俺の思考を先読みしたのか、はたまた顔に出ていたのかは分からないが、こちらが聞く前に疑問に答えてくれた。


 そんな事を考えていると、視界が段々と暗くなり始めた。


「そろそろ時間のようですね。それでは……を宜しくお願い致します」

「......頼んだぞ」


 人にものを頼む事が出来るのか。などと場違いな事を考えている間にも、俺の意識は遠のいていく。


「頑張って下さい。……」


 意識の途切れる寸前に聞こえてきた声を、俺は最後まで聞き取ることが出来なかった。



◇◇◇◇◇



 先程までいた男が消えてから女性が口を開いた。


「行きましたね」

「......ああ」

「彼で最後ですか?」

「......そうだ」

「上手くいくと良いですね」

「......これまでも二度、成功ではないが、時間稼ぎは出来ている。最低でも時間稼ぎは出来るだろう」

「それでは解決しないでしょう?」

「......そんな事を言っても、俺たちに出来ることはもう何もない。あとは成功を祈るだけだ」

「ふふっ、……が祈る。ですか」

「......喧しい」


 何処までも真っ白な空間で、女の小さな笑い声だけが、ただただ、響いていた。

実はこの人たち、あまり物語には絡まないです。

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