家来に頼みごとをするんですけど?
昨日は更新しようとしたら寝落ちしてました。
すみません……。
「うう……汚されてしまったにゃ……」
「何を言う。綺麗にしてやっただけではないか」
後を付いてくる猫に、失敬な、とばかりに魔王が言う。
「そもそも、汚れて帰ってくる貴様がいけないのだ」
「アタシは綺麗だって言ってるじゃにゃいですか……」
猫はそう言うと、がっくりと肩を落とした。
「いいや、さきほど帰ってきたばかりの時は腐ったヘドロのようなにおいがしたぞ?」
「してないにゃ!!!!」
猫が後ろから魔王の足を叩いた。
「……してにゃいですよね?」
猫は、少し自信なさげに自らの体の匂いを確認した。
今は石鹸の匂いがする。
「ところでご主人、アタシに頼み事ってなんですかにゃ?」
「うむ。少し貴様に手伝って欲しいことがあってな」
そういうと魔王は猫を部屋に招き入れて、扉を閉めた。
ベッドへ腰かけ、猫に言う。
「私を攻撃してほしい」
「あ、ご主人はそういう界隈の方にゃのですね。アタシはそういう特殊な趣味のお手伝いはちょっと……」
「何を勘違いしている。スキル取得のためだ。回避や危機感知の能力を手に入れるには、実際に攻撃を受けるのが一番の近道なのだ。一人でも出来なくはないが、効率の面からすると、やはり他人の攻撃を受けるのが最も手っ取り早い」
「はぁ、そうにゃんですか」
「うむ。効果が無いなら他の方法も色々と試さねばならないがな。という訳で、タマよ、かかってくるがいい」
「ホントにいいんですかにゃ」
「うむ。手加減は無用だ」
「そうですかにゃ、では失礼して……」
猫はそう言うと腰を落とす。
野生動物特有の、獲物に飛びかかる体勢。
弓を引き絞るように力を貯める。
魔王は既に、猫の間合いに入っている。
限界まで筋肉を引き締める。
まだまだ、もう少し。
じり、じり、と襲い掛かるタイミングを見計らい。そ
して、跳ねた。
「死ぬにゃあああああああああ!!!!!!!」
猫の爪が魔王に肉薄する。
必中の間合い。
狙いは一つ。命のみ。
魔王は目を見開いて、猫を見た。
だが、もう遅い。
猫の鋭い爪は頬を裂き、魔王の肉を深くえぐり、致命の一撃を与えた。
はずだった。
スキル「危機感知」を取得しました。
スキル「回避」を取得しました
魔王の頭の中に声が響いた。
「タマ、やるではないか」
魔王は傷一つないまま、微笑んでいる。
「にゃんで生きてるんですかご主人?!」
「なぜと言われてもな……避けたからだが。しかし防壁を十枚以上ぶち抜いたのには驚いたぞ。大したものだな」
「いやいや、避けたとかそういう問題じゃにゃいんですけど……」
「む、そうだな。まともに食らったら小指の爪の先くらいのミミズ腫れができたかもしれんな。恐ろしい威力だった」
「いやいや……ご主人は今ごろ血まみれでベッドに横たわっていにゃいとおかしいんですけど?」
「そんな事になるわけなかろう……む、そういえば、貴様『死ねええええ』と言っていなかったか?」
「い、いや、そんな事は言ってないにゃ!ご主人さえ亡き者にすればこのおウチはアタシのものだなんて思っていないですにゃ!!」
「貴様そんな事を考えていたのか……まあいい、今度は防壁を張らずにやるから、もう一度かかってくるがいい」
「いいんですかにゃ?」
「うむ」
「くたばるにゃあああああああ!!!!!!!!!!」
猫は言うが早いか魔王に飛びかかった。
手ごたえ、あり。猫はそう思った
スキル「斬撃耐性」を取得しました。
スキル「痛覚耐性」を取得しました。
魔王の頭に声が響く
魔王の頬には、うっすらと赤い筋が入り、その端に血が滲んでいる。
「おお、私に傷をつけるとは!素晴らしいぞ!!」
「いやだからにゃんで生きてるんですかねご主人……」
「生きているに決まっているだろうが」
「ご主人、ホント何者なんですかにゃ?」
「私は人間だぞ。一応な」
「ハァ、なんか自信なくしそうですにゃ……」
猫はがっくりと肩を落とした
頑張ったんですけど?
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