あなたが望むもの プロローグ
〝やぁ、こんにちは。初めまして。
あー、ちょっと待って、逃げないで!ちょっと話聞いてってよ。すっごーく暇なんだよね。
ほらー、ここって、何にもないじゃん?久々にこうやって話すわけだし?哀れな私の話し相手になっておくれよ。
・・・いやって?なんでさ!こんな真っ暗闇の中、初めて話せるようなものに出会えたというのにっ。
ま、座ってよ。立ち話もなんだからさ。・・・って、座れないか。ここ何にもないし!”
ギャハハハと笑うソレ、どうやら話を聞いてほしいらしい。話を聞きますか?
YES or NO
〝え、待って。何で選択肢でてんの!?え、なになにー!
楽しそう!どうやるの??”
楽しそうな声が返ってくる。
〝ま、なんでもいいけどさー、私ね、暇だからね、ちょっと世界作ろうかと思って!
その手伝いできる人を探してたんだよね・・・
んで、いいとこに、君が来たってわけ。
ねぇねぇ。君はさ、世界を作るんならどうする?”
さっきよりも、声を近くに感じる。耳元でささやかれているようなそんな感覚。
〝やっぱりー、ハーレム?かわいい女の子侍らせちゃう?
・・・あれ、もしかして、かっこいい男の子捕まえて、玉の輿?
うーむ・・・魔法か!世界救っちゃおう!”
反応を見ながらいろいろ提案してくるが、少しも興味を示さない。
〝・・・君は、どんな世界がほしい?なーんでも作ってあげよう!
残念ながら、私に想像力はなくってね。何を作るにも失敗してしまうんだ。勇者が事故で死んでしまったり、ヒロインやヒーローが周りから嫌われさげすまれ、死んでしまったり。あとは、暗殺されたり、ヒロインではない子のほうがヒロインっぽかったりね?みんな何の特徴もなく発展すらしないまま私が飽きて壊してしまったり・・”
ちょっとすねたような口調で言うソレ。
〝私はね、もっと想像力があれば、思い通りに動かし、そして、私が面白おかしくなれるようなそんな世界が作れるんじゃないかと思ったんだ。
私が飽きない、そんな最高の世界を君に作ってほしいんだ”
ソレがにやりと笑っているような気がした。
〝さぁ、君は何を望む?何を求める?”
悪魔の囁きともいえるような、その問いに、答える。