第四話 第十九部 クレイナの魔法
「大丈夫か。」
「はい。ナーニャのおかげで…。助かりました。」
「そうか。すまないな、戦闘状態まで使わせてしまって。」
「いえいえ。ただ、ちょっと疲れました…。久々に使ったので。もしあのまま戦闘状態が続いていたら…解除するまでに時間がかかって、関係ない人たちまで巻き込んでしまう可能性もあったので…。」
「そうか。人間に血が入っているから、多少の押さえは効くということか。」
ナーニャは疲れた顔で地べたに座りこんだ。いつも運動しているときはここまで疲れないのに、こんなに汗がぐっしょり、息使いも荒く、つかれきった顔をしているなんて。
「ナーニャ。」
突然クレイナがナーニャの体に手を当てる。すると青い光を発していた。
「ちょっと…クレイナ、それ何!?」
レイチェル先生は大きな声で驚いた。俺もこの光景には驚きを隠せない。クレイナにこんな魔法を使えるなんて。魔法は事件の時に手術を受けて、鉱石の魔力を心臓にある程度移植させていたから魔法が使えるようになったことは知っている。だけど他の魔法を使える生物と比べたらあまりにも負担がでかい。クレイナもそれは承知の上でやっているのか。
「ごめんね、クレイナ。」
「いいの…。これぐらいならまだ負担にならないから。」
「こんな魔法、どこで覚えたんだ?」
「本を読んだ。この前は物を浮遊させる魔法も。」
「おま、いつのまに…。」
ナーニャとクレイナの様子を見ていると上からはドラゴンたちが移動していく。あれが…例の逃げている人たちなのだろうか。ヘリコプターまで出ている。そしてナーニャが作った壁がうまく活用されている。特殊部隊が入るためにいろいろと安心して行動している。さすが…か。




