第四話 第八部 クレイナの事情
「クレイナ…。不思議な名前ね。」
「そうでしょうか。」
「ええ。…その義手と義足は何かで?」
「数年前に起きたゴブリンの魔法乱射事件で巻き込まれました。」
クレイナはリーナさんの質問に淡々と答えている。しかしこの事件のことを聞くと何か思い出したかのように目を見開いていた。そして大きく深呼吸する。
「そうだったのね、カナ・ミヤビさん。」
「知っているのですか?」
俺はリーナさんからまさかの返答が返ってきた。ダジルさんだけではなくて、リーナさんまで知っているのか。
「それはもちろんよ。事件を担当したし、なによりダジルにこの事件を頼んだのも私よ。」
リーナさんも担当していたのか。クレイナはまったくそのことには動じてもいなかった。そしてまたリーナさんがクレイナに声をかける。
「どういう人物だと想像する?」
「私が思うには、おそらく私と同じように何か心に障害を持っているのかもしれませんね。」
「君もそう思うのか。」
レヴィさんがクレイナの返答に同感していた。たしかレヴィさんは心理関係のほうにいるはず。だとしたら…共感できることがあるのだろうか。
「私も気になることが…。」
「えっと、ナーニャだっけ?」
「はい。被害者に共通する点はあるのでしょうか。」
「それは私達も頭を悩ませているのよ。統一性はまったく無いわね。被害者の年齢、種族、性別などまったく異なる人ばかり。だから…困るのよね。」




