登場人物紹介・設定こぼれ話(~第三章まで)
登場人物紹介・設定こぼれ話(~第三章まで)
※ネタバレ多少含みます。
本編を読んでからご覧いただきますと、より楽しめるかもしれません。
○主人公と仲間たち
・蓮野 碧
レイリーンライセルの南部にある聖域に一週間通い、それほど辛くない修行を経て巫女同士の連絡手段として用いられる神術【思考送信】を完全習得。その後巫女の森へ赴き、ヤレン曰く最強の神術【神の怒り】を授かるなど、順調に巫女としての力を身につけている。
聖域へ通う間、皆が寝静まっている早朝から正拳突きを繰り返すなど自身を成長させるための努力は惜しまない真面目さはあるが、その一方で劣等感や負い目が先立つあまり独断専行してしまいイチカにたしなめられる場面も。本人に悪気はなく(それがまたイチカを苛立たせている一因なのだが)、何事も倒れるほど全力で挑む姿勢は仲間たちも認めているようで、イチカ以外の面々からは可愛がられている様子。
・イチカ
碧に対する態度はいくらか軟化したものの、皮肉屋な一面は相変わらず。自身が納得いかない状況においては厳しく追及することもある。一方で、正反対の環境で育ち、正反対の気質を持つ碧に嫉妬や羨望を抱いている節がある。碧に筋違いな怒りや恨みを抱いている自覚はあるものの、感情が追いつかない様子。
三章でもやはり強い責任感からと思われる言動が見受けられたが、その根底にあるのはラニアらに余計な負担をかけたくないという配慮。彼女らに危機が迫っていると判断すれば碧のことも放棄する。そういう意味では三人>碧という優先順位は確固たるもののよう。
過去に受けた虐待の光景がフラッシュバックすることがあり、時に冷静さを欠き自我を失う。夢に見た際は昼夜関係なく外に出て気晴らしに剣を振るっている。
パーソナルスペースガン無視のヤレンが心底気に食わない。
・ラニア・クラウニー
美容のため睡眠はたっぷり取りたい派かつあまり朝に強くないが、やむを得ない場合は渋々起きることもある。(ただし高確率で暴走する)
なお、碧の修行に付き合った結果体質が変わり早起きが苦でなくなった様子。
カイズやジラーを的に射撃訓練をするとストレスが解消され肌艶が良くなるらしい。その甲斐あって(?)、格上の魔族に命中させるなど銃の腕前は衰えを知らない。一方、白兎があまりに目に余る態度を取った際は容赦なく威嚇射撃したり、碧が正気を失った時も銃声で目覚めさせようとしており、銃への依存度が高い。
・カイズ・グリーグ
よくストレスの溜まったラニアの修行相手(=射撃の的)にされ、三章でも逃げ惑う姿が見られた。どこへ行くにもジラーが一緒なのは曰く「癖」らしい。嘘が下手で顔に出る。思ったことは直球で口に出す。
ラニアと結託してミリタムと白兎の仲を取り持とうとするも、失敗に終わる。
・ジラー・バイオス
よくストレスの溜まったラニアの修行相手(=射撃の的)にされ、三章でも逃げ惑う姿が見られた。どこへ行くにもカイズが一緒なのは曰く「仲が良いからというわけではない」らしい。噂話には混じらず遠目で見守るタイプ。
・白兎
一行の間で決めたルールに(憎まれ口を叩きつつ)従ったり、レイリーンライセルで試験的に栽培している人参畑を(憎まれ口を以下略)視察したり、怪我をした仲間に(以下略)付き添ったりと、心境の変化があったのかツンデレが顕著になっている。聖域と相性が悪く、長く留まれば留まるほど体調不良が進行する。巫女の森でも同様に体調を崩すも、神力の満ちた水を飲んだことで耐性がついた。
魔星の獣の言葉が分かるらしい。
・ミリタム・ステイジョニス
実年齢にそぐわぬ分析力を発揮したり豊富な知識を披露したりするが、その裏には相当の努力が積み重ねられていた模様。聖域を興味津々に見て回ったり、ただ静かに座って自然を満喫したりと、外の世界を全力で堪能していた。元々魔法士となることに抵抗感はなく、修得や修行もそれなりの辛苦はありながらも乗り越えてきたのは、厳しくも優しい母に支えられていたから。そのためややマザコン気質。何よりも大切な実母を見捨てた実父とその再婚相手を嫌っている。
○レクターン王国
・ネオン・メル・ブラッサ・レクターン
レクターン王国第一王女。身分を気にしない豪快な性格で、碧に自らが編み出した技【切風】を伝授した。
・ミシェル・カウド
レクターン王国副騎士隊長兼王女たちの世話係。二章に引き続き王都から遠く離れた辺境の問題解決に駆り出されているが、援助金騒動の後始末に畑仕事に一行の世話にと毎日忙しい。悪趣味疑惑は晴れたものの(その代わり疑念は王へと向けられた)、陰口を耳にしたら逃がさず徹底的に聞き出すくらいには良い趣味をしている。レイリーンライセルを離れる際は馬を駆ってレクターン王国へ戻った。
○巫女の森
・ヤレン・ドラスト・ライハント
四百年前に魔王軍を退けた巫女。死した後も意識として存在し【思考送信】を用いて碧に助言を授けていた。碧とよく似た風貌をしているが、碧曰く「普通に美人」。人々の間では病に倒れたと語り継がれているが、そうではなく誰かと共に魔族によって殺されたらしい。常に余裕のある大人の笑みを浮かべているものの、四百年前の出来事関連では表情を曇らせることも。
碧やイチカを自身の問題に巻き込んだことに対しては彼女なりに罪悪感のようなものを持っており、せめてもの罪滅ぼし(と言うほど大層なものではないが)として、現在の魔王軍の情報を伝えた。
半霊体の身ではあるが、相手の表情や雰囲気からどんな感情を持たれているかを察することは可能。今のところイチカをからかえる唯一の存在。
・サトナ・フィリップ
伝説の巫女がかつて治めたとされる、『巫女の森』の『守護』を務める年若き巫女。ヤレンに心酔しており、彼女の筋書きに沿うためなら非情な手段を用いたり挑発も厭わない。他方、悪行に対しては自他共に厳しく、また自身が口にした嘘には罪の意識を持っており、その数を数えて碧に陳謝したほど。
・木々
聖域という特殊な空間ゆえか、一本一本が意思を持ち互いに情報を共有し合うことができる。人間に干渉できる能力を持つが、老木は基本的に緊急事態下でも我関せずの姿勢。若木は愛郷心と正義感が強い。
○魔族
・ヴァースト・マレイ
魔王直属部隊『一魔王の僕』のひとり。『獣配士』の異名を持ち、その名の通り魔星の獣を複数従え身体の中に飼っている。何らかの方法で聖域である『巫女の森』に侵入し、一行を苦しめた。
・黒龍<暗黒を招くもの(ダークネス・ドラグーン)>
ヴァーストが従えている中で最上位の獣――のはずだったが……?
普段は極小化されヴァーストの身体に入れ墨のように張り付いている。
・樹の魔物
ヴァーストが従えている獣。見た目は獣というよりは全身を葉で覆われた一ツ目の巨人。ヴァースト曰く「普段は温厚で臆病だが忠誠心は人一倍」かつ「オレの怪我が重ければ重いほど怒り狂って手が付けられなくなる」。
・クラスタシア・アナザント
魔王直属部隊『一魔王の僕』のひとり。中性的な声と顔立ち。極度の女嫌いで同じ空間にいるのも虫唾が走るほどだが、女装や女の真似事を趣味としている。遠方透視ができる。ヴァースト亡き後誰が魔王の機嫌を取るかが悩みの種。
・セイウ・アランツ
前魔王の時代に『一魔王の僕』に属していたらしい魔族。優秀な魔剣士だったようだが、かつて仲間であったはずの面々から「裏切り者」と唾棄されるほど激しく憎まれている。ヤレンと恋仲にあった?
○小ネタ、設定など(ちょくちょく更新するかも)
・ステイジョニス家について
ミリタムが結界型魔法を開発するまでは別の魔法で見張っており、賊への対処は一応はできていた。しかし、そもそも領土が広すぎるため四六時中監視用魔法を使う術者の負担が大きかった。
・黒龍<暗黒を招くもの(ダークネス・ドラグーン)>について
オス。百年ほど前に代替わりしたばかりでまだ子ども。噛み殺すべきところで噛み殺さず甘噛みに留めたり(遊び相手だと思っている?)、獣のメスに熱を上げたりと飼い主の調教不足が垣間見える。先代(初代)は彼の母で、聡明かつ理性的、上位種の名にふさわしい強さを誇っていたが、息子はまだその域まで達していなかった模様。




