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合成清酒  作者: 初菜
合成清酒五
49/89

四十八升目。

満天の星。海岸沿い。走り続けてきた二人。

空が少しずつ明るくなってきたころ幌を閉じた車は街に入っていた。

二十四時間営業のファミレスを見つけ、入る。


「ちょっと冷えちゃったな」

「そうだね」

「夜はけっこー暖かかったからな。

夜風が気持ちよくて幌開けたまま走ってたのがまずかったなあ。

アキ、体、大丈夫か?」

「うん。食欲あるし大丈夫!大丈夫!」

にっこり笑いハンバーグを口に入れる。

それを見て笑いコーヒーを飲みながらタバコを吸う幸太。

「幸太はコーヒーだけでいいの?」

「うん。コーヒーとタバコだけでいいわ」

「そか」

しばらく一緒にいてわかった幸太の生活の一つ。

飲酒をする時以外あまり食事をしない。その時でも量は少ない。

心配している一つだった。アキも周りの皆も。


しばらく黙る二人。店内に流れる音楽をなんとはなしに聴いている。

ドリンクバーへ飲み物を取りに行き戻ってきたアキが少し大きな声を上げた。


「あ!デジャヴ!」

「?」

「ほらほら、幸太。幸太のおうちへ初めて泊めてもらったとき。

幸太酔っ払っててそのまま寝ちゃって。次の日お昼起きてからファミレス連れて行ってくれて。

それでそこのファミレスでボクハンバーグ食べてこうやってドリンクバーで・・・・・・」

「あー・・・・・・、あぁ。あったあった。確かにそのままだな、これ」

笑いながらタバコを吸い、

「それもなんかもう懐かしい気がするなー」

コーヒーを飲む。

「あの時ボクコーヒーのおかわり持ってきたよね。持ってくる?」

「そだな。よろしく。あと俺もなんか食べるわ」

残り少なくなっていたコーヒーをいっきに飲んでカップをアキに渡す。

カップを受け取りながら少し驚いた顔をするアキ。

「体に良くないんだろ」

メニューを広げ顔を隠しながら言う。

「うん!」

笑みをこぼし思いっきりうなずくアキ。

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