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合成清酒  作者: 初菜
合成清酒四
40/89

三十九升目。

インターホンが鳴る。

モニターを見て、振り返り声をかける。

「幸太、滝口さん」

「おー。出てくれ」

「はーい」


「滝口さん、こんにちはっ」

ドアを開け、元気に挨拶をする。

「明子ちゃん、こんにちは。

今日はまた可愛いねー」

挨拶を返しながら気持ちのいい声で笑う。

「どうぞあがってください」

「ほい、ありがとう。幸太は?」

「お魚詰めてます」

「そっか。ま、いなくてもいいんだけど」

言いながら明子の肩を抱きしめる。

「た、滝口さん!」

驚いて声を上げてしまう。

慌てて手を離す滝口。

「ごめん、ごめん。これ、セクハラになるかな?

セクハラだよなー・・・・・・」

申し訳ないように頭をかく。

「セクハラじゃないですけど急だからびっくりしちゃいました」

「いやー、ほんとごめん」

「だいじょーぶでっす」

明るい声を弾ませた笑顔の明子。

「良かった良かった」

大きく息をはき滝口は胸をなでおろす。


二人がリビングへ入ると幸太はせっせと魚をクーラーボックスへ詰めていた。

「おまえらなー、いちゃつく暇あれば手伝えよ」

「いちゃついてないもん!」

冗談混じりに声をかけた幸太へ、

明子は思わず強い口調で返してしまった。


あっけにとられた顔で幸太と滝口は明子を見つめる。


『なんで。どうしてボク、今、むっとしちゃったんだろ。

今日、変だ。なんかドキドキするし顔熱くなるし』

二人は驚いた顔のままだ。冷静に、落ち着こうとする。

『とりあえず、ごまかさなくちゃ』


すうっと息を吸い込んで

「愛し合ってたんだもん!!」

大きな声で、言った。


「ええええ!!!!??」

幸太と滝口はそろって声を上げた。

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